らくだい魔女と両思いのち片思い～奇跡が起こる瞬間に～ (ページ8)

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魔法ページ8

フウカside

フウカ「な、何よ……。」

ベネス「ははっ、いつまでその強気が続くかな？どうやらあの愚息が付けた魔法は、切れかかっているようだぞ。おいガート。少し近づいてみるといい。」

ガート「はっ。」

ガートが１歩、迫ってくる。でもやっぱりさっきと同じでパチ、バチッと火花が飛ぶだけ。

でも、何となくさっきより威力が減ったような……。

ガートも小さく「…成る程。」と呟いた後、ベネスの方を振り返った。

ガート「左様でございますね、陛下。確かに、このままならあと数分もしないうちに魔法が解けるでしょう。術の準備を開始します。」

フウカ「っ…！！そんな…っ！」

ベネス「せいぜいそこで身の程を弁えない己の魔力を恨むんだな。」

ベネスが吐き捨てるように言い残して部屋を出ていく。

ガートは部屋に残った。

なんとかしないとっ！このままじゃ、何されるか分かったもんじゃない！！

魔法でも使って風か火でこの部屋ごと吹っ飛ばして逃げればいいんだっ！

思い立ったら即行動！善は急げよ、とガートを睨み付けた。

そして───。

フウカ「風よっ！銀の城と悠久の時をともにする風よ！」

呪文を唱えた時、だった。

ガート「残念ながら、姫君。今の貴女では魔法を使うだけ無駄。それどころか我らの得にしかならないのですよ？」

フウカ「っ！？なんでっ…！」

あたしが出した風は全部、ガートがどこからか取り出した半透明の球体の中に吸い込まれていった。

その瞬間、バチバチッ、バチィィ！！っと、今までにな大きな音を立てて、

あたしの周りにあった見えないバリアが、完全に消え去ったのを感じた。