ベネス ページ7
フウカside
パタン、と静かに閉まる扉の音と共に、さっきより1つ増えた大人の影にジリっと後ずさる。
フウカ「ガート、と、誰…?」
?「ふん。ガート、こいつが例の姫か?」
ガート「左様でございます、陛下。銀の姫君にして呪われた金の髪をもつ、アベルの娘でございます。」
ガートの説明に、陛下と呼ばれた男の人がスッと目を細めて値踏みするようにこっちを見てきて気持ち悪い。
でも、さっきまで泣いていたのを隠すように、キッと男を睨み上げた。
?「ははっ、威勢の良い姫君だな。名は確か……フウカと言ったか。」
フウカ「……そうよ、悪い!?ていうかアンタここ名乗りなさいよね!!」
?「ふむ。なぜアイツがあんなに肩入れするか理解に苦しいな。……まあ、良いだろう。我の名はベネス。そうだな、名乗るよりもカイトの義父だと言った方が伝わるか?」
っ…!驚いて、男─もといベネスの顔をガン見する。
カイトの…お義父さん…!?ってことは……
こいつが、全部悪いんだっ!!!そう思ったら、カーーと一気に頭に血が上ってきた。
フウカ「あんたがっ……ずぅっと小さい頃からカイトを泣かしてたんだっ!」
昔、カイトが楽しそうに笑って話してくれた。
『義父さんは優しいんだよ。ものすっごく。僕、義父さんが義父さんで良かった。』
って。それなのにっ!
『義父さん……っ……!』
フウカ「あんたがっ!ずぅっとカイトを傷つけてたんだっ!!」
ベネス「……は?」
ガート「おっと、いけません陛下。こいつにはまだ、王子が付けた魔法が…」
ズイッと一歩、あたしに近づいてきたベネスの足が寸でで止まって、変わりにパチ、バチッバチチッと火花が飛んだ。
薄く息を飲んだベネスが、「成る程」と呟いて、
笑った。
それはガートよりも何倍も薄気味悪くて、ゾッと背筋が凍った。
嫌な、予感がした。
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あんなつ♪(プロフ) - ♪稀小椎♪(mej)さん» うす!ありがとね!! (2020年8月16日 15時) (レス) id: 2efed111d7 (このIDを非表示/違反報告)
♪稀小椎♪(mej)(プロフ) - 脱字した…、今更言うけど、続編おめ! (2020年8月15日 20時) (レス) id: 4cf15cbb89 (このIDを非表示/違反報告)
♪稀小椎♪(mej)(プロフ) - 今更、続編おめ!! (2020年8月15日 18時) (レス) id: 4cf15cbb89 (このIDを非表示/違反報告)
あんなつ♪(プロフ) - ケイさん» 私もそう思う!!!父親○したヤツなんて○しちゃえ!!! (2020年7月7日 19時) (レス) id: 2efed111d7 (このIDを非表示/違反報告)
ケイ(プロフ) - あんなつ♪さん» ちょっと待ってベネス腹立つわぁああ怒カイトくん一気にやっちゃって!!本当もう、原型とどめなくていいと思う! (2020年7月7日 5時) (レス) id: b0b3a08d76 (このIDを非表示/違反報告)
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