王族だもの ページ37
フウカside
カリン「アイビークル、ネッタグルード!!」
響いた声の主は、今この場にいるはずのない人物。
フウカ「カ、リン……?」
何で、カリンがここにいるの……?だって、カリンはガートに捕まってたんじゃっ!?
ギョッと眼を見開いてカリンを見つめる。腕が引っ張られるような感覚がして、やっとあたしは振り下ろしたはずの剣を見た。
そこには、ぐるぐるに巻き付いた蔓が縛り上げるように剣の切っ先を上に向けている光景。
と、あんぐりと口を開けて巻き付いた蔓とカリンを交互に見ているチトセの姿。
その瞬間、あたしはドッと力が抜けた。
フウカ「カリン……助けてくれたんだ。」
でも、どうやって逃げてきたんだろう?そう思ってカリンに聞こうと口を開く、前に。
ガート「なぜ緑の王女がここにいる!?どうやって逃げ出してきた!?」
またまた乱れた口調でガートがカリンを問い詰める。
聞いてる内容はあたしが聞こうとした内容と同じはずなのに、物凄く嫌な気分になる聞き方だ。
あたしがギラギラとガートを睨み付けると、カリンがガートの声に負けないくらいにカリンらしくない音量で答えた。
カリン「私だって王族だものっ!いっつもチトセくんやフウカちゃんが助けに来てくれるのを待ってるわけにはいかないから!それにっ……今回は私がフウカちゃんを助けるって決めたものっ……!」
あたしは、その言葉にまた泣きそうになって、ぐっとこらえた。
代わりに、カルガバールと戦った時のことをもう一度思い出す。
あの時も、カルガバールに操られて、チトセを殺しそうになってっ……!
でも、勝てたんだ!魔界の三大悪魔の一人のカルガバールに!!
それなのに、こんなやつに負けるはずないっ!だって、魔界の三大悪魔のうち二人に勝ってきたんだから!
『王族舐めんなっ!!』『普通の王族とは比にならないほどの膨大な魔力。』
怒ったチトセの言葉と、冷静なガートの声が聞こえたような気がした。
フウカ「あたしは、絶対に、あんたなんかには、負けないッッ!!」
怒りやら決意やらと一緒に競り上がってくる魔力を感じる。
あたしの中で、プッツンと何かが切れた。
気付いたら、あたしは、
ガートに向かって、走り出していた。
フウカ「絶対に、負けないからっっ!!!」
手にしていた剣も、腕も、もちろん足も、全部あたしの思う通りに動き出した。
*
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あんなつ♪(プロフ) - ♪稀小椎♪(mej)さん» うす!ありがとね!! (2020年8月16日 15時) (レス) id: 2efed111d7 (このIDを非表示/違反報告)
♪稀小椎♪(mej)(プロフ) - 脱字した…、今更言うけど、続編おめ! (2020年8月15日 20時) (レス) id: 4cf15cbb89 (このIDを非表示/違反報告)
♪稀小椎♪(mej)(プロフ) - 今更、続編おめ!! (2020年8月15日 18時) (レス) id: 4cf15cbb89 (このIDを非表示/違反報告)
あんなつ♪(プロフ) - ケイさん» 私もそう思う!!!父親○したヤツなんて○しちゃえ!!! (2020年7月7日 19時) (レス) id: 2efed111d7 (このIDを非表示/違反報告)
ケイ(プロフ) - あんなつ♪さん» ちょっと待ってベネス腹立つわぁああ怒カイトくん一気にやっちゃって!!本当もう、原型とどめなくていいと思う! (2020年7月7日 5時) (レス) id: b0b3a08d76 (このIDを非表示/違反報告)
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