らくだい魔女と両思いのち片思い〜奇跡が起こる瞬間に〜

王は ページ25

ガートside


〜〜回想です〜〜短いです〜〜


この空間では、時の進度が分かりづらい。進んでいるのか止まっているのかすら分からないこの空間にくる、前。



私は王専属の従者として、王に仕えていた。王は心優しく、慈悲深く。誰にも平等に接してくださる方だった。



しかし、ある日、お妃様がお亡くなりになられた。



国中悲しみに包まれ、王もまた嘆き悲しんだ。もちろん再婚や後妻を勧める声も多く上がったが、王は断固としてそれらを受け入れなかった。



──それから１０年。王もその間に悩まれ、お考えになられた末、養子を取ることに決めた。



王族の血を絶やすことになるという声が上がらなくもなかったが、それが王のご意志なのならば、私が止める意味も意思もない。



そして、王とともに次期王となられる王子──カイト様をお迎えすることとなった。



カイト様は魔力が強く、聡明で、何より王にとてもよく懐いておられた。



それはもう、教育係の私よりも王と過ごす時間の方が長くなる程度には。



そして王もまた、そんなカイト様を実の息子のように愛し、慈しんでおられた。



──それなのに。



何のきっかけもなく。



何の予感もなく。



ある日を境に。



王は



変わられた。

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