らくだい魔女と両思いのち片思い〜奇跡が起こる瞬間に〜

球体さんの正体 ページ23

フウカside


？『……まず、自己紹介からしませんか？お互い名前くらい知っていた方がいいと思いますので。』


……いや、ガートじゃないの？って言いたい。でも、うん、もしかしたら声だけそっくりでホントは別人かも知れないしねっ！？


フウカ「……分かった。あたしはフウカ。銀の城のプリンセスだよ！」


ちょっとだけ胸を張って自己紹介する。そしたら、なぜか球体さん(？)の方が黙りこくってしまった。


？『………フウカ？』


フウカ「？そうだけど。」


？『…………銀の城のプリンセス？』


フウカ「そうだよ？」


まさか球体さんまで『見えない』とか言うんじゃないでしょうね？


って思ってジロリと睨み付けていたら、球体さんはまた数秒黙ったあと、そうですか、と呟いた。


『私はガートと申します。ミサトという小国の王専属の従者をしていたものです。』


……………やっぱりですかぁあああ……。たぶんそうだと思ってましたぁあああ…！


フウカ「やっぱりぃいい……。」


でも、だったら、なんで。ガートはあたしのこと忘れてたの？


いや、ていうかその前になんでこんなに、別人みたいな話し方っていうか……雰囲気なの？


ガート『やっぱり、とは？』


フウカ「いやさ……ガートの声そっくりだったし、多分そうかなあって。」


ガート『そっくり……。あの、申し訳ありませんが、どこかでお会いしましたか？』


フウカ「どこかでって……ついさっきまで会ってたし……。」


あたしの言葉に、ガートの光が一瞬揺らぐ。薄くなって、ぽそりと小さく声が聞こえた。


ガート『ついさっき……それはきっと、私ではなく、私の身体の方だと思います。』


フウカ「……え？」

ガートは別人→←幻聴？幻覚？それとも……現実？

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