らくだい魔女と両思いのち片思い〜奇跡が起こる瞬間に〜

恐怖 『短いです』 ページ14

フウカside


チトセ「大丈夫か？」


フウカ「ん……も、大丈夫。」


ずずっと鼻をすすって深く息を吐き出す。やっと呼吸も涙も落ち着いてきて、ちゃんと息ができるようになった。


冷静になって、はたと気付く。チトセの手を、ずっと握りしめたままだったことに！！


フウカ「っ！？ご、ごめっ！離すねっ！」


慌てて右手を引き離して抱き込む。なぜか落ち着いたはずの心臓がドキドキと脈打っていた。


二人して気まずく俯きあっていると……。


ガート「ああ、やっと見つけた。」


フウカ「っ…！」


チトセ「……クソッ！」


さっきと変わらない、乱れてもいないガートの声が聞こえた。


暖かかった心が一瞬で凍りついたような気がして、ぶるっと体が震える。


チトセがもう一度ぎゅっと手を握ってくれた。


ガート「全く、ちょこまかと走り回って。さぞお疲れでしょうプリンセス？」


ニヤリと嫌な笑みを浮かべるガート。その瞳にはあたししか映っていなかった。


フウカ「っ……い、や…やめて、来ないで！！」


チトセ「フウカっ……！」


ガート「おやおや。嫌われたものですね。」


チトセが握りしめてくれている右手だけが妙に熱を孕んでいて、他は近づいてくるガートの存在にガタガタと震えていた。

ガートの再来→←涙

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