らくだい魔女と両思いのち片思い～奇跡が起こる瞬間に～ (ページ44)

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怒りページ44

カイトside

ベネス「クッ……ハハハッ！ハハハハハハハ！！」

カイト「っ！？」

突然仰け反りながら笑いだしたベネスに若干引いた←

自分でも大分冷たいなと感じる視線を目の前の変人(ベネス)に向ける。

ベネス「ククッ……そうか、ガートが負けたか……。だがまあ良いだろう。そろそろ切り捨てようと思っていたところだ。」

まだ不敵な笑いを残しながら呟くベネスを２つの意味で凝視する。

ガートが負けた……それは裏を返せばフウカたちが勝ったということ。

ハァァア……と安堵の息を漏らしそうになるのを噛み殺してベネスを睨み据える。

ふつふつと身体の底から煮えたぎるような怒りを感じた。

カイト「切り捨てる……？お前は、10年以上も自分に仕え続けた従者すらも簡単に切り捨てるのか。」

例え、その相手が心底憎み、嫌っている人物であっても。

長年仕え続けた従者をいとも簡単に『切り捨てる』と言ってのけた目の前の男に、怒りを抱くなという方が無理な話だ。

ダンッと強く床を蹴ってベネスに斬りかかる。金属同士がぶつかる音が辺りに響いた。

刃が結抗して、毛先から滴った汗が頬を滑り、ベネスの剣に落ちる。

ベネスが、更に怒りを煽るようにニタリと口角を持ち上げ、口を開いた。

ベネス「感情に実直なお前に良いことを教えてやろう。」

ガキィィン！とベネスの剣が僕の剣を弾き飛ばそうとする。

何とか持ちこたえて代わりに剣の柄で鳩尾を殴ろうと持ちかえれば、それも素手で押さえられた。

ベネス「まあ、聞け。聞いて"無駄に"損をすることはないだろう。」

僕が黙ったままギリギリと握った柄に力を込めて押し続けると、何を思ったのか更に嗜虐的な笑みを浮かべて話し出す。

ベネス「お前にとって朗報なのか訃報なのか……。どう転ぶかはお前次第だがな……。

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お前の義父親はもう、この世にいないぞ。」

ゴリッ！と力を込め続けた剣の柄が、ベネスの腕にめり込んで、鈍い音を立てた。

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