検索窓
今日:5 hit、昨日:0 hit、合計:696 hit

落とし物 ページ1

「寒…っ」







江戸の街は去年より寒くなっていた



外の世界と縁を切ってから約1年



家から出ることも、他人と会話もしていない



喋るのは家族くらいなもので、他人との話し方も忘れた



なのに突然 家の外に出た



どのくらい寒いかも分からず、取り敢えず家にあった着慣れた着物では少し肌寒い



やはり江戸は人は多いし、去年はなかったお店が少し増えている気がする



そんな人混みの中から1人の真っ黒い服に身を包んだ男性が歩いて来る



スッとすれ違えば、"あ、この人 喫煙者だ" と分かるくらいに煙の臭い



それ以上に印象に残ったのは……



条件反射で振り返ると、その男が落としたであろう箱が落ちていた










「あ…あ、あのっ…」








知らせようかと迷う前に声が出た



家族以外の誰かに声を掛けられることに驚いて、今度は声が詰まる不思議な現象



そんな私になんか気付くはずもなく、男は離れていってしまう



元よりない体力を振り絞り、ツタツタと後を追う











「あの…!待って…!」








それでも気付いてくれなくて








「はぁっ…そこのV字の人!

 V字前髪の人…!」







すれ違った時、"わぁ、V字だ" って思って印象的だった



何故かこれで伝わったのか、ピタリと歩む足を止めた



さっさと渡して家に帰ろう、外に出る度にこんな面倒な事は御免だ









「これ落としまし…」



土「誰がV字前髪だって?」










すごく怒ってる、この人



それだけは社会性も外気温も分からない私だってすぐ分かった



だって瞳孔は開いてるし、血管だって浮いてピクピクしてるもん



逃げようとしてもヘロヘロのこの足じゃあどこにも行けない



その前に逃げる体力もない










土「おい、総悟」



沖「へいへい

  えー13:46、お巡りさんの心を傷付けたテメェを公務執行妨害で逮捕」カシャッ








V字前髪の人の背後からにょっと出て来た栗色の髪色をした少年に手錠を掛けられた




少しの間だけでいいから状況把握をさせてほしいが、そんな隙はないようだ









「え、ちょ、え?」



土「言い訳は屯所で聞いてやる」



沖「黙って着いて来な、雌豚」









まぁ、そんなこんなで1年ぶりの外の世界で逮捕された私のとんでもないお話

事情聴取→



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (3 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
2人がお気に入り
設定タグ:銀魂 , 土方十四郎 , 新選組
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

S(プロフ) - 更新待ってましたっ!ありがとうございます〜!るう様が魔法使いですよね....!!!!!!!!!💗銀さんとの絡みも気になります!!次も待ってます!一生応援してます~!!! (5月2日 7時) (レス) @page11 id: cc16e6db3c (このIDを非表示/違反報告)
S(プロフ) - 更新ありがとうございます!!!夢主ちゃんよ、土方スペシャルに手を出してしまったか...次は宇治銀時丼だな!!(????)次の更新も待ってます💕頑張ってください ~!!! (4月29日 10時) (レス) @page10 id: cc16e6db3c (このIDを非表示/違反報告)
るう(プロフ) - Sさん» ありがとうございます!頑張ります! (11月19日 8時) (レス) id: ce1cf82280 (このIDを非表示/違反報告)
S(プロフ) - 土方オチ待ってましたー!こっちも読ませていただきます♡更新頑張ってください!!応援してます! (11月18日 22時) (レス) id: cc16e6db3c (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:るう | 作成日時:2023年11月18日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。