念仏 ページ2
?「A…おい、A」
「んー…先生?」
ふかふかのベッドに煙草の苦い香り
八「ん、おはよ」
「へへ、おはよう」
目を開ければ隣にいるのは私の愛おしい人
眼鏡に咥え煙草をした銀髪頭
横になっている私の隣に座る銀八先生は、
ふぅと一つ煙草を吹かした後、私の髪をさらりと弄べば、
満足そうに口角を上げる
その顔が、その仕草が堪らなく愛しくて私も釣られてニマっと口角を上げる
「何だか先生が懐かしい」
八「ああ?何言ってんだお前は」
私の意味不明な発言をあしらうようにふっと鼻で笑うけど、私を撫でる銀八先生は大切なものに触れるが如く柔らかい
差し込む朝日で銀八先生の髪が反射して銀色に輝いてやけに眩しくて目を細める
細めた瞼を開ければ、そこに広がるのは黒い世界
銀八先生はどこかに消え、私一人
?「A…A…」
私の名前を呼ぶ聞きなれた声がする
その声の方を振り向けばあの銀色がある
銀色が恋しくてそっちに行けば私を受け入れるように銀世界で包まれる
また眩しくて目を細めてしまう
目を開けて隣を見ると、そこにいたのは
「銀…八先生?」
銀「だから、銀時だって言ってんだろ」
銀八先生にそっくりな銀髪頭の銀さんだ
布団に横になる私の隣に座っている銀さんがいる
さっきとほぼ同じ状況だけど、ちょっとだけ違うのは
銀さんは名前を間違えた私に不満そうに眉をひそめて、またデコピンを食らわしたことくらい
銀「銀八って誰だよ
何、もう早速浮気?
銀さんそういうの許さないから、意外と縛るタイプだから」
夢の中の銀八先生に嫉妬した様子の銀さんは私に覆いかぶさり、耳元で何やらブツブツと念仏を唱えている
少し前まで大人の魅力を放っていた人物と同じとは到底思えない、
子どもっぽい銀さんの豹変ぶりがおかしくて、思わず笑みが零れてしまう
「銀さんに縛られるなら本望です」
銀「ったく、お前ってやつは…
千切れるくらい縛ってやらァ、覚悟しとけ」
どちらからともなく引き合うように唇を重ね、2人で顔を見合わせて笑い合う
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作者名:るう | 作成日時:2022年9月3日 22時