話し相手 ページ10
＿＿＿＿＿
「あの２人、部屋が同じになったんだけど、早速揉めてるみたいなんだ。今はどっちのシュートが強力か競い合ってる。」
「仲悪いの？」
「似た者同士だから、お互い直ぐカッとなるんだろうな。でも、ヒロトも灰崎も悪いヤツじゃないんだ。」
「そう。」
基山とは比べ物にならない程、紫音の口数は少なかった。
それでも基山は紫音から離れて行かずに、話題を振ってくれた。
「姫野さんも練習かい？」
「うん、１人部屋は暇だから。」
すると基山は少し考え込むような仕草を見せた。
面倒なことを言ってしまっただろうか、と思い、紫音は自分の発言を思い出そうとした。
だが、基山からの言葉は予想外のものだった。
「女子は１人だから仕方ないよね。もし暇だったら、俺で良ければ話し相手になるよ。」
「いや、それは……君が暇になるから。」
「ならないさ。知りたいこともたくさんあるし。」
「私のこと？」
こんな風に誰かが面と向かって自分のことを知りたいと言って来るのは珍しかった。
今まで声をかけてきたクラスメイトなどはいたが、話が続かないという理由でみんな紫音から離れて行ったから。
「じゃあ、そろそろヒロトを止めに行って来るよ。またね、姫野さん。」
なかなか決着のつかない灰崎と吉良の競り合いを見かねて、止めに行こうと基山が２人のところへ向かおうとした。
「あ、待って……基山タツヤ！」
「！」
ここに来て初めて紫音が大きな声を出した。
驚いた基山は、ハッとして振り返った。
「えっと……ありがとう。」
そう言って紫音の表情が少しほぐれた……ように見えた。
眠たそうな正気を感じない目はいつものままだが、口角はほんの少し上がっている。
紫音らしいと言えば紫音らしい、控え目な笑顔だった。
もちろん基山はそれに気付いた。
「……基山タツヤ？」
「あ、ごめんね。どういたしまして。暇な時、良かったら話しに来てね。」
「気が向いたらね。」
仕舞いには、紫音の表情や調子はいつも通りに戻っていた。
しかし基山は、珍しい紫音の様子を見て、少し誤解していたかもしれないと思った。
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Rui - 不具合より作り直しましたお断りして構いませんのでまた機会あったら思います。タイトルそのままです (2020年8月10日 1時) (
レス) id: 79cb60a812 (このIDを非表示/違反報告)
ツナ(プロフ) - Ruiさん» コメントありがとうございます！お誘いも嬉しく思っています。ですが、この作品は私の妄想を元に生まれたものですので、イベントの方は考えておりません。あと、恐らくこちら側の不具合なんですがRuiさんのページが開けないので、お断りせざるを得ない状況です。 (2020年8月9日 0時) (レス) id: 04f33d8056 (このIDを非表示/違反報告)
Rui - 初めまして読ませて頂きましたこれから作品頑張って下さいもしよかったら好きな作品選んで出来るイベントやっています「あなたの小説読ませて下さい。」です (2020年8月8日 21時) (レス) id: 79cb60a812 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ツナ | 作成日時：2020年2月23日 14時
