13_親切心 ページ13
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「そういや、オレタルト買って帰らないとまた追い出されるわけ？」
「そうだね〜。ハートの女王の法律で決まってるからさ。きっとホールじゃないと許してくれないよ」
「…タルトをホールでってだいぶ高くないか？」
「げー。オレそんな金持ってないんですけど」
「じゃあ作っちゃえば？あのタルトも全部トレイくんが作ったやつだし」
「あれトレイ先輩が作ったの？すげー！」
エースくんが食べてしまったタルトはトレイくんのお手製だったらしい。お菓子作りが上手なんだね、と感心していると、実家がケーキ屋を営んでいるんだと話してくれた。
そんな彼がお詫びのタルト作りを助力してくれることになり、放課後は材料を集めに行く約束をする。思った通り、面倒見の良いお兄さんだ。
昼食を食べ終えた私は図書館へと足を運んだ。というのも、“ツイステッドワンダーランド”の知識を得るためだ。
この図書館は学校の施設とは思えないくらいに広い。一体何冊もの書物が所蔵されているんだろう…この中から希望通りのものを見つけるのは至難に思える。目に付いた本を手に取るが、…うーん。
「何かお探しですか？」
困り果てている所を背後から声が掛かり、振り向くと赤い髪の男の子と目が合った。
『えっと…魔法の本、かな』
この世界についてを学ぶと言っても、異世界人向けの本というものは見つからないだろう。元の世界と最も異なる点といったら魔法の存在だ。あってもフィクションの中か、種のある“マジック”だけの世界を生きていた。
「…貴女が異世界から来たという用務員さんですか？」
『うん、そうだよ。Aです』
「でしたらその専門書よりも基礎から学べる本が望ましいのでは？案内します」
『本当？ありがとう！ええと…』
『ああ、申し遅れました。ボクはリドル・ローズハートです」
『ん…？寮長のリドルくん？』
手を貸してくれた彼こそがリドルくんだったようだ。思いがけない出会いに驚くが、首を傾げたリドルくんになんでもないよ、と伝えると先を進んでくれた。
辿り着いた書架には先程よりも柔らかい字体が並んで親しみやすさを感じる。リドルくんはその中から適当な本を選び取ってくれた。
『ありがとう。すごく助かったよ！』
「それは良かったです」
そう言って微笑むリドルくんは、話に聞いていたような横暴な子には見えなかった。見ず知らずの私に声を掛けてくれる優しい子。
何か、私に出来ることはないだろうか。
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麗(プロフ) - 続きを読める事を楽しみにしてます！ (2021年1月6日 18時) (
レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
安眠(プロフ) - 夜神(女です!)さん» ご丁寧にコメントしてくださってありがとうございます。大丈夫ですよ！ (2020年11月3日 21時) (レス) id: fe927a247b (このIDを非表示/違反報告)
夜神(女です!)(プロフ) - 突然失礼します！ツイステの作品を描こうと思っているんですが安眠さんの「監督生のお姉さん」の設定を参考にさせていただいてもよろしいでしょうか！？ (2020年11月3日 19時) (レス) id: 588c4c8811 (このIDを非表示/違反報告)
安眠(プロフ) - みいらさん» コメントありがとうございます。ご期待に添えるよう頑張ります！ (2020年10月6日 22時) (レス) id: fe927a247b (このIDを非表示/違反報告)
安眠(プロフ) - 雪華さん» 私が知っているアニメということでしょうか…？！漫画はたまに読みますがアニメはあまり詳しくないです；すみません (2020年10月6日 22時) (レス) id: fe927a247b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：安眠 | 作成日時：2020年9月10日 1時
