オンボロ寮のお姉さん【twst】

12_大食堂 ページ12

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　食堂のスタッフさんにもご挨拶に伺うが、なんとそこで働いていたのはゴーストさん達だった。初めての光景に目を見張ると、クロウリーさんが平然とした様子で「Aさん達の寮にも住み着いていますが…まだ出会っていませんか？」なんて言うものだから更に驚く。

ホラー映画は苦手だけどここのゴーストさんは可愛らしいビジュアルをしていたし、何より気さくで話しやすくて一安心。寮にいるというゴーストさんとも仲良くなれるかな…？

食堂の皆さんに挨拶を終えたところで丁度鐘の音が響く。クロウリーさんは予定があるようでご一緒することは出来ないが、ここでランチを済ませてはどうかと提案してくれたのでそれに頷いた。



　ビュッフェスタイルの料理を取り終える頃には食堂内は生徒さん達でごった返していて、空いている席を探そうと見渡すがなかなか見当たらない。
というか、やたらと目が合うような…やっぱりこの服は目立つみたいで、少し居心地が悪い。

あの子に声を掛けようかなあ、いやでも、と二の足を踏んでいると、遠くから聞き覚えのある声がした。


「あーーっ！Aさんメイド服着てる！」


声の聞こえた方に目を向けると、居場所を教えるように手を振るエースくんやユウくん達、それから朝出会ったケイトくんの姿が見えて、私はほっと安堵の息を漏らす。


「姉さん、その格好…」

『あの、お仕事用で…やっぱり変かな…？』

「いやっ変じゃないです！」

「デュース顔赤〜」

『ありがとう…、でもすごく見られてる気がして恥ずかしかった…』

「Aちゃんが可愛いから皆釘付けなんだよっ。マジカメにアップしたらバズり間違いなし！」


ケイトくんは口上手だ。照れつつもお礼を言うと、ケイトくんのお隣に座っている男の子が口を開いた。


「ここは男子校だからな…。ところでケイト、今日話していたAさんで合ってるか？」

「そそ！Aちゃん、こっちは親友のトレイくん〜ハーツラビュルの副寮長！」


よろしくお願いしますね、と微笑むトレイくんはなんだかとても大人びていて、私の方が年上なのに“お兄さんっぽい”という印象だ。弟か妹がいるか、年下の子の相手に慣れているのかもしれない。

明るく社交的なケイトくんと穏やかで面倒見の良さそうなトレイくん、自分が後輩だったらすごく慕ってしまいそうなコンビだなあ。



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