オンボロ寮のお姉さん【twst】

02_学園長 ページ2

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『学園長、起きたら姉がいたんですけど』
「…はい？」


　まずは学園長に相談しなければ、と思い立ち、未だに夢の中にいるグリムを抱えて学園長室に向かった。

──余談だが、姉は襟ぐりの広いショートトップスに肌触りの良さそうなショートパンツといった、かなり心許ない格好をしていた。そんな無防備な姿で男子校内を歩かせるわけにはいかず、宛てがわれたばかりの運動着を着せている。
くるくると折った袖や裾からは華奢な手足が覗いて、これはこれで庇護欲を掻き立てられるような…でも、ないよりはずっと良いだろう。


「はじめまして、ユウの姉のAです」
「えっ？あ、あぁ…ディア・クロウリーと申します…。ちょっとユウくん、こちらへ」


　コソッと手招きをされて学園長の元に行くと、一体どういうことです！？と慌ただしく問いかけられる。が、どうもこうも、目が覚めたら居たのだから説明できることなどないのだ。
どうしてイレギュラーなことばかり…！と頭を抱えている学園長には悪いが、他に手段はない。


『困っている女性をほっぽり出すなんてことはしませんよね？優しい学園長なら』

「え、えぇ、もちろんです！そうですねぇ…、ユウくんが正式に生徒となったことですし、Aさんには用務員として働いていただきましょう！」


　結果として、か弱さを助長するぶかぶかの運動着を着たことが幸いしたのか、はたまた学園長が扱いやすいのか…とにかく、僕と同じようにこの学園で面倒を見てくれることになったのだった。



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