元・白銀の聖騎士 (ページ10)

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ダイヤモンドレイページ10

Aside

「かまわない」

クラリオのそれだっけの、たった五文字の言葉に再びイナズマジャパンは驚きの声を上げた

見慣れたバルセロナ・オーブのユニフォームを着たクラリオがイナズマジャパンの前に立ちはだかる

イナズマジャパンの相手はクラリオが一人で行うため、ボクとベルは陸上用トラックに移動していた

ボクらから少し離れたところにホイッスルとバインダーをそれぞれ持ったイナズマジャパンのマネージャーと思われる少女達が立っている

「どっちが勝つと思う？」

「クラリオ」

ベルは腕を後頭部に回したまま、こちらをちらりともせずに答えた

「即答かよ」

「今の日本の実力じゃあ、クラリオ一人の相手にすらならないだろ」

「ま、確かに～」

ボクが言うと同時に栗色の髪の少女がホイッスルを鳴らした

クラリオがゴールに向かって走り出す

最前線にいたFWの面々がクラリオの前に立ち塞がるが今の守りのレベルではクラリオを立ち止まらせることさえ出来ない

FWのメンバーを全員抜き去り、MFを何人か抜いた瞬間クラリオは立ち止まりゴールを見据える

ボールを軽く蹴りあげると＿＿

「《ダイヤモンドレイ》！」

ボールが大きく輝くダイヤモンドのようになり、それは段々とカットを入れたかのように輝きを増していった

クラリオが蹴り出した《ダイヤモンドレイ》は強い輝きを放ちながら獲物に向かうドラゴンのようにゴールへと、一直線に進む

その凄まじい威力に選手達は弾き飛ばされていく

キーパーのうち二人が果敢に向かうも《ダイヤモンドレイ》を止めるには至らず、他の選手同様に弾き飛ばされてしまう

残された砦は、円堂守。ただ一人

彼だけで《ダイヤモンドレイ》を止めることは出来ないと思うけど＿＿＿

「今度こそ止めてみせるっ！《風神雷神》！！」

円堂の背後に二体の巨神が現れる

両手で抑えるようにしてボールを掴む円堂だけど、威力を殺すにはまだ足りてない

しかし強力な必殺技である《ダイヤモンドレイ》に対して粘りを見せる円堂には感心するに相応しいものがあった

「ほう…」

その証拠にクラリオも同様に声を漏らす

けれどやはり止めるには至らず、ボールは円堂を吹き飛ばすようにしてゴールへ吸い込まれた

「少しはレベルが上がったようだな」

「お前の目的はなんだ」

「私は日本のサッカーが好きになったのだ。以前戦ってあなた達の気持ちのいいサッカーに魅了された」