こんな私にも ページ1
ASide
いつからだろうか
気づいたら毎日暴力を振るわれていた
それでも自分は良かった
必要とされているということがあればよかった
でもやはり嫌なものは嫌なんで
いつも助けを求めていた
愛が欲しかった
暴力ふるうのは親ではない
振るってくるのは必ず兄だった
親は知らぬ間に気づかないふりをしていた
そんな親に私は失望した
そして何も信じられなくなった
ある時自分はそんな家から逃げた
ひたすら走って転んでまた走って
気づいたら知らないところだった
フラフラと歩いていると目の前に狐らしきものがいた
自分はそれをジッと見ていた
ぬいぐるみなのか？
すると視線に気づいたのか狐らしきものはこちらをみてビクッとなった
うわぁお可愛らしな
「なぜ人の子がこんなところに……………」
「狐が喋った…………驚きだね？」
なんだ?自分が見ている夢かい？これは
すると少し考えた様な素振りをしていた狐？は
「しかしきっとこれは何かの縁でしょう!お願いします！本丸をどうか助けてください！」
こりゃ更に驚いたね……………
「それはよくわからないものだな？君はなんて名前なんだ？」
やはり名前を聞かなきゃ駄目なもんは駄目だからね？
「失礼しました!こんのすけと申します!」
こんのすけさんか……………
「自分はA…………岩井Aどうぞよろしくな？」
「A様ですか!本当に宜しいのですか？家の方に相談もなしに」
「君は阿呆なのかい?さっき君自身が言ったではないか何故こんなところに人の子がいるんだと」
てか人の子って……………
そう言った途端こんのすけさんはしょんぼりといった感じで耳を垂らした
「そうですね…………では行きましょうか!」
ブワッと風が吹いた
突然のことに驚き咄嗟に目を手で隠しそっとのけると
目の前には大きな門があった
「ここがA様に立て直してもらいます本丸でございます」
まじかよ
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作者名：夏五郎 | 作者ホームページ：http://ukaitue
作成日時：2018年1月5日 1時
