友達探し22日目 ページ23
・
「焦るな、国木田。それでも社長の弟子か」
……顔に少し涙の跡を残した名探偵が、病室から出てきた。与謝野は目を見開き乱歩を見る。
「……乱歩さん。大丈夫かい?」
「社長に」
与謝野の問いには答えないで、乱歩は間髪入れずに云った。
「''しっかりしろ''って云われた」
「意識が戻ったのかい?」
「いいや。でも聞こえたんだ」
「……Aちゃんは」
「……特に、何も」
「……そうかい……」
乱歩は頷いてから国木田に向き直り指を指す。「指示を出せ。社長代理」
「必要な情報は、僕が凡て読み切ってやる」
…………その顔には、固い決意が浮かんでいた。
_______________________
_____時は進んで【アンの部屋】にて。
『…………ぅ………ん……?』
「……あら、貴方も目を覚ましたのね。
『……彼の方……?』
「探偵社の社長さんよ。……お宅の猫ちゃんとおチビちゃんに頼まれてね、貴方達を安全な異能空間に運んでくれないかって」
「………………」
……近くには社長が寝ていた。
ひた、と新美が額に手を触れる。……熱い。
『……ごん。一寸来てくれるかな』
《はいはい》
新美の異能力の《ごんぎつね》が呆れたように二つ返事で答えた。
……ごんは
『…………私達に【共喰い】のウイルスを盛ろうと計画したのはドストエフスキーさん、だよね。だとしたら……皆は今そのウイルスの異能を持っている異能力者さんを捕まえようとしてる……よね』
《……当然、其処には罠が仕掛けられている?》
『多分。ドストエフスキーさんは皆が規則を変えようと走り回ってるのを良い事にーー』
《ウイルスの異能力者を捕まえようとしても、延々と盥回しにされた挙句……》
『時間切れ、かな。名探偵さんの推理力と洞察力はかなり広い処まで広がってるし、敵がそれに何の対策もしていないなんて有り得ない。……名探偵さんの力まで利用しているんじゃない?』
《ほーん、成る程なあ》
「……ねぇ貴方、大丈夫なの?そんなに喋って……」
『あ、はい。大丈夫です。……一休みしたら、一寸出かけて来ますね』
「一応聞いておきましょうか。何処にかしら?」
『……友達に会いに……です』
54人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みず(プロフ) - 即直してきました。完璧です(ドヤ顔) (2018年9月22日 22時) (レス) id: 40c42479fe (このIDを非表示/違反報告)
みず(プロフ) - ゆあさん» ふひゃああああああぁああああ!!!!やっちまったぜスライディング土下座ーーーー!!!!(ズザアアアアアアアアアア) (2018年9月22日 22時) (レス) id: 40c42479fe (このIDを非表示/違反報告)
ゆあ(プロフ) - いやみずちゃーん!かなり前にも言ったが“弁別”よ!!不覚にも吹いたその二よ!!!← (2018年9月22日 22時) (レス) id: be7752c821 (このIDを非表示/違反報告)
みず(プロフ) - ゆあさん» 与謝野先生の解体ショー(?)、新美ちゃんは未だ受けてないらしいです。 (2018年8月29日 15時) (レス) id: 40c42479fe (このIDを非表示/違反報告)
ゆあ(プロフ) - 大丈夫だ桜庭ちゃん。皆、これを経験して大人になるんだよ(`・ω・)bグッ! (2018年8月29日 13時) (レス) id: 2d3bbb4ab3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:みず | 作者ホームページ:http://twpf.jp/uranai_mizu
作成日時:2018年4月3日 19時