ポートマフィアの悪魔が天使に懐かれました。【文豪ストレイドッグス】【合作】☆天使ver.

友達探し１４日目 ページ15

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『……《ごんぎつね》！！』


彼女がそう叫ぶと、音も無く狐が現れた。その瞬間、桜庭はパァッと顔を輝かせる。何この子かわいい。


「……な……撫でても良いか……！？」

『……？はい、どうぞ。…………ごん、逃げちゃ駄目だよ？』


にこにこと怖いくらいの笑顔で新美が云った。何この子こわい。←


「……………………」

『……………………』


もふもふもふもふ。さわさわさわさわ。もふもふもふもふ。

ポートマフィアの悪魔こと桜庭は、嬉しそうにごんを撫でていた。それを見て新美も軽く微笑む。……ごんの尻尾をしっかり掴みながら。


『かわいいでしょー』

「……ん」

『…………桜庭ちゃん、動物とか好きなんですか？』

「……ん」

『ほー』


ほのぼのと背景に花を背負う二人。……が、当然此処はあの残虐なポートマフィアの巣。そんな癒し空間が続くわけがなかった。


「手ッ前(てっめぇ)桜庭何仕事サボってんだオラァ！！！」

「うっせーなー。細けぇこと気にしてっと禿げるぞ。あと室内で帽子被ってても禿げるぞ」

「煩ぇのは手前だ！！さっさと来やがれ！！(ガシィッ)」

「ぐえッ」


手を此方に伸ばし、桜庭は「うああぁ…………」と悔しそうに呻きながら去って行った。ずるずると五代幹部の中原中也に首根っこを掴まれながら。



桜庭は凄い名残惜しそうだった、と後にその時近くに居合わせた構成員の一人は語ったと云う。



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『あうー……。桜庭ちゃん行っちゃいました……。あの、桜庭ちゃん……何時かえって来ますか？も、もしかしてもう今日は帰って来なかったり？』

「じゃねーかな。此処んところずっとサボってたし」

『そうですかぁ……ざんねんです……』


がっくりと肩を落とす新美に「あんま気ィ落とすなよ」と云うのは黒蜥蜴もといポートマフィアの苦労人、立原道造だ。

何でも初対面で彼女の身長を馬鹿にして殺されかけたことから、あまり彼女には大きくは出れなくなったとかなんとか。


「……後で差し入れ持ってってやれば喜ぶと思うぜ」

『……差し入れですか？』

「おう。そのごんとやらを持ってきゃ良い差し入れになるわ」

『おおー！』


わかりましたー！と少女は一礼して去って行った。

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