ポートマフィアの悪魔が天使に懐かれました。【文豪ストレイドッグス】【合作】☆天使ver.

友達探し１２日目 ページ13

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「…………敦君。Aちゃんは？」

「あ、乱歩さん。Aさんなら未だ来てませんけど……」

「………………今日もか」


乱歩はスタスタと早歩きで自分の席に行き、乱暴に椅子に座った。相当イラついている。

……其れもその筈。乱歩は五日もAに会えていない。
理由は単純。彼女は自分を窮地から救った、ポートマフィアの悪魔こと桜庭の居る場所を探し回り歩いているからだ。


「大丈夫ですか？乱歩さん」

「……正直Aちゃん不足で死にそう」

「……大丈夫じゃないンですね」

「まぁ分かりますわ。私も若し兄様に会えなくなったら兄様不足で直ぐ死んでしまいますもの」

「ナ、ナオミ……そういう事を云うのは……」


抱きつくナオミに赤面する谷崎。

そんな谷崎兄妹のイチャイチャ度が上がれば上がるほど、乱歩を取り囲むどす黒いオーラにも拍車がかかっていく。そんな反比例する状況に、中島敦はあわあわと焦り始めた。


「(……Aさん、早く帰って来てええぇ……)」


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『たのもーっ！！桜庭ちゃんいますかー！！』

「……誰ですか？」

『新美です！桜庭ちゃんいますか！！』


太宰に「睡蓮の花の如く儚く可憐」と絶賛される程に容姿端麗な女性こと樋口一葉は、いきなり押しかけて来たAをぱちくりと瞬きして見た。

因みに、此の二人は初対面である。

いっちゃ……樋口は「新美さんですかー」と言いながら屈んだ。
そうやって彼女の目線に合わせてあげるところを見ると矢張り彼女を子供と思っているのか。……まぁ確かに二十二歳は無理あるもんな。


「桜庭さんなら、今は恐らく……」

『首領さんとおはなしですか？』

「ッ！？」


言おうとした事を先回りされ、樋口一葉は思わず目を剥いた。


「……何でその事を」

『おねえさん、分かり易いんですもん。顔に出てましたよー』


何処を如何すれば「桜庭は首領と話をしている」だなんて顔に出るんだ。
……少女は洞察力が高いなんて次元(レベル)じゃなかった。自ら名探偵に友達志願しただけの事はある。

困惑していた樋口に、新美Aは追い討ちをかけた。


『えへへ。それではまた会いましょう、いっちゃん』


ぱたぱたと可愛らしく彼女は駆けて行った。撃たれたように立ち尽くす樋口。

……また会いましょう？いっちゃん？何故いっちゃん？……というか若しかして年上？


「…………何なんですかぁ」


がっくりと樋口は肩を落とした。

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