胡蝶家三女は超絶シスコン part2【鬼滅の刃】

四十五輪の花 ページ3

・


「……A」

『……あ、いや、違うんです姉さん、ただ私はその……健康に、気をつけてほしいって言いたくて、……あはは』

「ごめんなさい」

『…………え？』


「……ごめんなさい……ごめんなさい……」



……ごめんなさいと繰り返す姉の背中を、私はただ撫でてあげることしかできなかった。


□



『ーーてなわけで！これ以上は何も聞かないことにしたぜ！！！』

「馬鹿なの？」

『辛辣』


我妻くんにそう宣言してやると、帰ってきたのは辛辣な一言。酷くね？


『だってしょうがないでしょ。実の姉さんが、あんな、……あんな』



……姉さんに、謝らせてしまった。

私も馬鹿だよなあ。わざわざあんなこと聞いたりして。


妹なら。
本当に姉さんのことを想うなら。

……しのぶ姉さんがやりたいように……しのぶ姉さんの予定通りに、事を進めさせてあげるべきなんだろうな。
そうでしょ、カナエ姉さん。


「……ほんっとAはさ」

『……あん？』

「馬鹿みたいに、優しいよね」

『……馬鹿みたいには余計なんだが？』


めちゃくちゃ優しいと言えめちゃくちゃ優しいと。


「しのぶさんもそうなんだよね。……やっぱり、姉妹って似るもんなのかな」

『は？(ドス声)』

「ヒェッッッッッ………………こ、こわ……」

『今しのぶ姉さんのこと馬鹿っつったか！？ア゛ァ゛！？！？！？！？！？(胸ぐらを掴む)』

「ヒエエエエ！！言ってない！言ってないから落ち着いて！！？」

『しのぶ姉さんを馬鹿なんて言う奴は万死に値するぜ！！！あの世で後悔するんだな！！！』

「いやあの世でってもしかしておれのこと殺す気でいたりする！？い……いや待って落ち着いて！！とりあえず落ち着いてほしいな俺は！！」

『ディア・マイ・シスタァアアアアアアーーッッ！！！！！』



□


続編来るとは思わなかったですマジで……作者です。

恐らく単行本派・本誌派の方は、何故しのぶさんが謝ったか、「馬鹿みたいに優しい」のか、様子がおかしいのか分かることでしょう。
ちなみに時系列的には、今は遊郭編が終わったあたりでしょうか。そこまで詳しく考えて話書いてないので(あほ)、その辺はご自由にって感じです。

そして次のお話からは、ついに「彼女の最期のお話」となります。


少し早いかもしれませんが、彼女を最期まで見届けてくれると嬉しいです。

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