胡蝶家三女は超絶シスコン part2【鬼滅の刃】

五十六輪の花 ページ14

・


……まあ、


『それはもし私がいなければの話だけどなぁーーっっ！！』


カナヲと変態野郎が話しているのに割り込み、変態野郎に向かって日輪刀を石を投げるみたいに思い切りぶん投げる。当然その攻撃は避けられたーーが、油断は禁物ってやつだぜこのクソゲス野郎！！！


『あらよっとおーっ！！』


ぴた、と鬼が避けてすぐに日輪刀は空中で一瞬だけ動きを止めた。……そして。


「……！？」


私がぐいっと引っ張る仕草をすると、日輪刀は物凄い速さで私の手の中に戻ってくる。そして鬼は驚いたような表情で私を見てきた。

……簡単に説明すると、実は私の日輪刀の柄の部分には見えにくい紐がついている。かなり細い紐だが素材が日輪刀のものと同じなので、鬼の首に巻いてスパッと斬ることも理論上は可能。

この日輪刀を作ってくれたひょっとこ面のお兄さんに少しわがままを言い、これを作ってもらったのだ。
丈夫な紐なので、今みたいに紐だけ掴んで刀を吹っ飛ばし、ブーメランのように使うこともできる。……役に立ったみたいでよかった。現に、日輪刀が返ってくるときには鬼の腕を斬り落とせていた。通用する。大丈夫、いけるいける。

勝たなきゃいけない。勝つんだ。絶対に。


姉さんが起きた時、鬼はもう倒したからねって笑えるように。



『行くぞカナヲ！このクソゲス地球上の空気無駄遣い変態鬼野郎に地獄を見せるんだ！』

「分かってる！！」

『あとあいつ扇から粉みたいに細かい氷出してっけど、あれ吸うと肺凍っちゃうから絶対吸わないでね！！』

「……うん！！」


カナヲと二人で息を整え、吸い、刀を構えた。

……あと一人くらいは救援が来るはず。しのぶ姉さんが食われていないのはまずいことだと、恐らくカナヲも分かってる。それでも。


…………それでも……私は馬鹿だけど、自分の気持ちに嘘をついてまで利口になろうなんて思わない。肉親を殺すことなくこいつに勝てるんなら、どんなに辛く苦しい道のりだろうと、私はその道を選ぶ！どれだけ苦労しようとも、私は姉と一緒にいたい！

だからーー



『さっさと来いや上弦の弐ィ！！この私と妹のカナヲが相手だ！！』

「……行こうA、あなたに合わせる！」

『当然っ！』



この勝負、きっちり勝って全部にケリをつけてやる！！！

花束四束目→←五十五輪の花

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す