Episode22 ページ22
臨「・・・泣かせるつもりはなかったんだけどね」
そう言って折原さんの優しさが私を包み込む。
そっと優しく、昨日の恐怖を折原さんが吸い取ってくれてる・・・そんな気持ちになっていく。
その温かさがますます私の涙を誘う。
ふと、折原さんの手が私の髪に触れた瞬間、感じていた温かさを上回り昨日の征くんから感じた恐怖が蘇る。
貴「やだ・・・ごめんなさい。もう征くんを裏切れないから・・・」
軽く折原さんの体を押して離れる。
いつものような薄っぺらい笑みはなくて初めて見る真剣な目。
臨「へぇ?それならもう何も言わないよ。例え君が髪を切られようが顔に傷をつけられようが俺には関係ないしね」
貴「だったらもう関わらないでくだらない!それにそっちにだって征くんを怒らせちゃった原因はあるんですから!」
これは完全に八つ当たりだけど、だけどそうして八つ当たりをしてこの人との関わりを断ちたい。
きっと折原さんが近い存在になってしまったら助けてと言ってしまうから・・・
臨「酷いなぁ。確かに君を誘ったのも嘘をついたのも俺だけど自分ではどうにも出来なかったわけ?自分の意思で俺と歩いて俺のついた嘘に乗ったわけだよね?逃げようと思えば逃げられるチャンスはあったはずだしね」
表情はいつも通りの笑みを浮かべていて、正論を並べられ言葉に詰まってしまった。
そう、私は征くんに悪いと思いつつ折原さんとの時間を楽しんでしまった。
私が私の意思で征くんを裏切ってしまったんだ・・・
臨「まぁ、いいや。恋人ごっこ楽しむといいよ。じゃあね」
手をヒラヒラとさせ私に背を向けて歩き始めた折原さん。
私は征くんだけではなく、折原さんまで怒らせてしまったのだろうか。
どれが正しい愛なのか分からない
両親が私のためにしてくれた、と思ってそれを愛だと思っていた。
仕送りもそうだけど、忙しい仕事の合間にわざわざ日本に帰ってきてくれたりご飯を作ってくれたり、私のつまらない学校の話を笑顔で聞いてくれたり・・・
征くんが私に向けてくれていた優しい笑顔。
声聞きたいと言ってくれるのも、会いに来てくれたり。
今回のことだって私が征くんを不安にさせてしまったから・・・
これを愛と言わないなら何を愛と言うのだろう。
私は愛がわからない。
折原さんが思う愛はなに?
折原さんが正しいと思う愛を知りたい。
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まっつん - あ、赤司くんが怖い… (2015年10月27日 11時) (レス) id: 179b97f76b (このIDを非表示/違反報告)
モコナ - とってもとっても面白いです!! (2015年4月21日 22時) (レス) id: 9dabbf369b (このIDを非表示/違反報告)
令 - よかった、臨也助けてくれた (2015年4月21日 7時) (レス) id: 7f691d36e2 (このIDを非表示/違反報告)
ころもっち(プロフ) - Yumiriさん» ありがとうございます!両方書いてみようかなo(`ω´ )oだけどまだ終わらせたくないのでこれからもよろしくお願いします♪♪ (2015年4月19日 16時) (レス) id: ed191ff16b (このIDを非表示/違反報告)
ころもっち(プロフ) - モコナさん» 平和島さん・・・( °_° )書けるか分からないけど落ち着いたら挑戦してみますo(`ω´ )o (2015年4月19日 16時) (レス) id: ed191ff16b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ころもっち | 作成日時:2015年4月16日 22時