色づく世界、君の声、歌。【あんスタ】

蓮見 純文学のやうに愛を囁かう。 ページ8

蓮見side





俺はバカだ。と、わりと真剣に思う。




こんな考えは、だれかといるときには起こらないから尚更。







…例えば、幼なじみと惚れた女が一緒にいるとき。









あれは覗き見ではなかった、と胸をはって言える。






体が弱い幼なじみを探して校内をさ迷い、
中庭にやっとその姿を認めたときに抱き合っていた、なんて
誰が想像しうるだろうか。






昔はあいつと『同じ』ことなんて、ほとんど無かった気がする。






物腰、

口調、

性格、

興味を示す本、

着る服、

選ぶ絵や趣味や、挙げていけば切りがないだろう。




唯一似通っていたのが、産まれ落ちた境遇だろうか。


自分の、我が道の生き方しか知らない。

そんなところが。









「全く…度しがたい。」




ああ、バカな俺を嘲笑ってくれ。



誰かに言葉にして言われたらどんなに楽になるだろうか。









今まで、紙に書かれた形でしか知らなかった愛。





こんなに汚いものではなかった筈だ。





清く、純な、幸せなものではなかったのか。








今俺の心はまるで嵐のようだ。





俺のなかで荒れ狂い、今にもあいつに惚れた君を食いちぎらんとしている。





どんなに今欲しくても、届かない君。








どうせまた、手にいれるのはあいつなんだろう。








ああ、俺は本当にバカだ。





あいつに口付ける君を、たまらなく綺麗だ、と感じた。


あのときに愛に気づくなんて。







A、星が綺麗だな。

そして、月は綺麗だった。









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読んだ本に影響されすぎてて笑えるの巻。

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