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イヴのはなし。 ページ7
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「話しかけないで、気持ち悪い」
手を払う。あたしは兄の顔を見つめたら、それはそれは、悲しい顔をしていたこと、今でも覚えている。
それを見て、なんであんたが！と叫んでやりたくなった。その顔をしていいのはあたしやジーンで、あんたじゃない。ふざけるなと、引っ叩いてやりたかった。
だけれどそれを我慢して、あたしは兄とは反対の方向へと歩く。潤んだ視界にムカついて、爪が食い込むほど手を強く強く握った。
「死ねばいいのに」
それは、妹して思ってはいけない感情。言ってはいけない言葉。でも、そんなの知らない。知ったことか。
兄が兄でなければ、どんなによかっただろうか。もしそうでなければ、あたしは兄を、こんなにも嫌いになることなんてなかったのに。
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作者名：あんころころもち | 作者ホームページ：
作成日時：2021年12月14日 1時
