めくるめく日々

. ページ30

「この後雨雲どっかいくで」

新山さんは私に雨雲レーダーの画面を見せてくれた。この後止むなら助かる。寒いし服濡れたくない。

「じゃあイルミ見れるねー」
「そうやな」
「なんか顔疲れてない？」
「今日残業やったんよ」
「え、お疲れ様」

まあクリスマスって言ったって普通に年末だし忙しいんだろうな。私は事務？オフィス？系で働いたことないから分からないけど月末忙しいのを友達からよく聞く。

「イブはどうしてたん？」
「山田くんとイルミ行った」

私の返答に新山さんは一瞬で顔をしかめた。

「どこの」
「恵比寿と青の洞窟」

新山さんはため息をついた。俺以外の男と会うなって言いたそうな顔してるけど、私が聞かないからもう言わなくなってしまった。

「…じゃあ行くならそこ以外やな」
「うん」

どこ行く？って言っても表参道しか思いつかない。他どこかあったっけ？とスマホで検索したがアクセスが微妙なとこだったので結局表参道に行った。



表参道に着いた私達は綺麗だねーなんて言いながら2人でくっつく。新山さんは私の腰に手を回してる。

木がライトアップされてるだけなんだけど沢山輝いているから素敵に見える。私と新山さんはインカメで写真を撮った。


「あ、そういえばヴィヴィアンの財布でかわいいのあったんだよ」

私だけかもしれないけど表参道に来ると必然的にヴィヴィアンに行ってしまう。行っていい？と言いながら新山さんをラフォーレの方にあるヴィヴィアンまで連れて行った。


「A財布欲しかったん？」
「うん。そろそろ変えようかなって」
「ほんま？俺ちゃうの買っちゃった」
「どういうこと？」
「クリスマスプレゼント」
「え、買ってくれたの？」

新山さんは当たり前やろと言いながら一緒に財布を見ている。まあ私も一応買ってあるけど。でも何にしていいか悩んだから無難にiPhoneケースにした。

新山さんの付けてる時計がロレックスだから一応それに並ぶぐらいのハイブラにしといた。これでセンスないとか言われたら泣く。

「ついでに東急も見ていい？」
「おー」

私達は東急に向かい化粧品やら服やらを見た。クリスマスの東急は予想通りかなり混んでいた。

.→←14.いつも通りの平日

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す