▼目を惹く姿に ページ24
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書類整理の最中に、ふと足りない資料があることに気づく。
資料といっても大した物ではない為開架式書庫にあるだろうと、デスクワークで凝り固まった身体を伸ばして書庫へと足を向けた。
図書館と言うには小さい代物であるが、城内には開架式のものと閉架式のものの２つ書庫が存在する。閉架式書庫にはグルッペン、トントン、エミさんの3人しか入る事が許されてない。
「なんや誰かおるんか？」
扉の奥でコツ、コツと床の鳴る音が聞こえる。まぁ大体幹部の誰かやろと、重たい扉を開いた。
ズラリと並んだ本棚はいつ見ても壮観だ、先程の音に反してこれといった人影は見当たらない。
「あったわ、これや」
異国語の辞書を１つ手に取る。ムカつくことに棚の上2段は俺の手が届かんから、よく使う本は一箇所にまとめて仕舞ってあるのだ。
用件は済んだので自室に戻ろうとすると、向かいの本棚の前に昨日の姫さんが突っ立ってるのが見えた。
今日は随分スッキリした装いで、絹糸のような髪も一括りにされている。
ジッと本棚を眺めている彼女が気になって、
「そこで何しとるん？」
『ひゃい……！』
思わず声をかけてしまった。いや、別に声くらいかけてええんやろうけど。
裏返った声で返事をした姫さんは、どうやら俺が入って来ていたことに気づいてなかったらしい。
「ごめん、驚かせてもうたな」
『い、いえ……失礼いたしました』
恥ずかしそうに頬を染めて視線を彷徨かせる姿は女慣れしてない者には高難易度過ぎる。
「流石童貞！」「童貞乙！」と脳内のコネシマやらの煽り声が再生される。喧しいわ！！
「なんか取りたい本でもあったん？」
『あっ、えっと……』
姫さんの視線が目の前の本棚の上層部に向けられる。
成る程、俺と然程背の丈が変わらない彼女では手が届かないだろう。言わずもがな俺だって無理だ。
「ここの棚高いよな、裏に脚立あるねん。取ってくるわ」
『ありがとうございます…』
「かまへんよ」
精一杯のカッコつけに素直に礼を言う姫さんは、とても一国の王女とは思えない。
脚立を取ってきて、遠慮する彼女を言い包め読みたがっていた本を手にする。
「ん、これで合うてる？」
『はい、本当に何から何まで…えっと』
口籠る様子の姫さんに漸く自分が名乗っていない事を思い出した。
「俺はロボロや」
『ロボロ様。心よりお礼申し上げます』
「っ、ええよこんくらい」
『ロボロ様』と鈴転がした様な声に今度こそ俺は赤面した。
ラッキーゲーム
hoi
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山西 陽朔 - 考えさせられる小説ですね!次回作は南無妙法蓮華経と唱えることで万人が成仏するということを作品にするのはいかがでしょうか? (2023年4月30日 18時) (
レス) id: aaea05e353 (このIDを非表示/違反報告)
あん肝ポン酢丸(プロフ) - ユッケさん» コメントありがとうございます。好きだと言って頂ける事が何より励みになります。続編でも気長にお付き合いくださいませ！ (2019年8月24日 17時) (レス) id: 6a4a4e6549 (このIDを非表示/違反報告)
あん肝ポン酢丸(プロフ) - 未人さん» ありがとうございます！続編も気長にお付き合いくださいませ。 (2019年8月24日 16時) (レス) id: 6a4a4e6549 (このIDを非表示/違反報告)
あん肝ポン酢丸(プロフ) - 黒コマ先生さん» コメントありがとうございます！続編もぼちぼち張り切って参りますので宜しくお願い致します！ (2019年8月24日 16時) (レス) id: 6a4a4e6549 (このIDを非表示/違反報告)
あん肝ポン酢丸(プロフ) - 紅葉さん» コメントありがとうございます！初期からのご愛読恐悦です。続編でもよろしくお願いいたします！ (2019年8月24日 16時) (レス) id: 6a4a4e6549 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あん肝ポン酢丸 | 作成日時：2019年8月4日 8時
