ユウの契約書だけを ページ16
「どこだ……あの量の契約書を運ぶならそう遠くへは……」
『おい何をあせってんだよ。』
必死に寮長を探しているとランドールが不機嫌そうに聞いてきた
「わからないの!?ユウは寮を取り上げられている間サバナクローでお世話になってたんだ。寮長達が言ってたか間違いない。そして一昨日、昨日と契約書の奪取は失敗に終わってる。まだ契約違反してしまった人達が働いてるのが何よりの証拠。もし、もしも契約書奪還が難しいからと、契約書自体を破壊する方向に走ったとしたら?寮長の契約書はどれがどれかなんて分からない位そっくり、仕分けてる暇なんてないだろうからまとめて処分しようとする筈。そうなったら……」
『おい、まさか助けようってのか?今まで散々いいように使われて、あんな酷い目にあっても?お人好しってレベルじゃねぇだろ。考え直せ!』
「……」
確かに寮長は僕をいいように使いたかっただけなのかもしれない
今まで褒めてくれたのも、優しくしてくれたのも全てはこの契約合戦の為
僕のことなんて使い勝手のいい手駒としか考えてなかったのかもしれない
それでも僕は……
「嬉しかったんだ、救われてたんだ……不安でたまらなかった僕を支えてくれたこと。その恩に報いる為にも、契約書を全部壊すのだけは止める。きっと大事なものだろうから、ユウ達が交わした契約書だけを壊すんだ。」
【そんな事はありません!あぁなんて素晴らしい能力なんでしょう!】
【それに貴方は努力家だ。僕も実は昔少し自分にコンプレックスがあったのですが……僕はそれを克服する術を手に入れた。きっと貴方も克服して立派な魔法師になれるでしょう!】
入学したての頃寮長が言ってくれた言葉が昨日のように思い出される
あの言葉は嘘じゃなかった
そもそも寮長は嘘は言わない
言わないことが多いだけで、言っている事自体は本当なのだ
それに、酷いことをされたからと言って、酷いことをやり返す事はしたくない
そんなことではランドールや寮長と同じになってしまう
そんなのは嫌だし何の得にもならない
やれるだけのことはやらないと
『んなこと言ってもお前の言う通り契約書全部持ってかれたってんならどうやって見つけるんだよ。』
「簡単なことだよ。ユウの名前が書かれた契約書を見つければいい。」
『いや、それが難しいんだろ……』
「そうでもないよ。ユウが本名をフルネームで書いているならきっと他の人の文字とは違っているはずだから。」
ユウは日本から、僕が元いた世界と同じ所から来ている
それは僕だけが気付いていること
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あんかけうどん(プロフ) - タイミーさん» ありがとうございます!ファンアート大歓迎でございます!ぜひぜひ描いてくださいまし! (6月20日 23時) (レス) id: 8768b9e08b (このIDを非表示/違反報告)
タイミー(プロフ) - 後失礼ながら私ラドル君の見た目とても気に入ってしまったので描いても良いですか?ダメでしたらすみません💦 (6月20日 23時) (レス) id: 908dc4d734 (このIDを非表示/違反報告)
タイミー(プロフ) - 最新話まで追いつきました‼︎続きとても気になります‼︎無理せずに頑張って下さい(*´∀`*) (6月20日 23時) (レス) id: 908dc4d734 (このIDを非表示/違反報告)
あんかけうどん(プロフ) - TRIXIEさん» ありがとうございます!これからどんどん転落していくのでかわいそかわいいラドルくんをどうぞよろしくお願いします! (5月28日 15時) (レス) id: 8768b9e08b (このIDを非表示/違反報告)
TRIXIE - 続きが出ている...!有難うございます!貴方様の動かすランドールと夢主が大好きです! (5月28日 14時) (レス) @page15 id: 2c398aa4dc (このIDを非表示/違反報告)
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