【弱虫ペダル】不器用な恋愛事情【荒北靖友】

1話　暖かい図書室で、 ページ2

暖房で暖かくなっている図書室の中で、私が座っている席に近い窓からは、そよそよと涼しい風が入ってくる。
電気代が無駄かもしれないが、これが一番落ち着く気温になる。
そして、私、来野 Aにとってこの席は特等席だ。
そんな、静かな図書室で私は一冊の本を読んでいた。
この頃の私は、恋愛小説にはまっているため、今読んでいる本も恋愛小説だ。
最近になるまでは、恋愛とかそういうのは興味なかったのに、この最近恋愛小説を読むのが楽しいと思い始めている私は……
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恋愛がしたいと思っているの………？
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そんな事ん考えている私に、クスリと笑い、またページを捲る。
この生きている人生の中で、本気の恋愛がした事がない私は、どうしようもなく、さっきまで考えていた事に笑えてしまう。
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でも、本気の恋愛とはどんなんだろうか？
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ちょっと、興味を持ってるという事は、やっぱりと思ってみるが、「相手はどうすんだよ」という考えで、すぐかき消されてしまう。
本気で相手を好きになっても、こんな地味で、可愛くなくて、取り柄のない私を好きになる人なんていないだろう。
好きになった時は、その人のセンスに疑うね。と、胸張って思ってしまう私は、残念な人だと思う。
なんて、くだらない事を考えながら本を読んでいると、昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴った。
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『さぁ、教室に帰りますか』
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いんだ、恋愛なんて、好きな人が現れなくたって。
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私は、今のままでも幸せだから。

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