【弱虫ペダル】ジュリアンの花火が咲き乱れる時【短編集】

鍵を求めて何年目　1　荒北　あやさんリク ページ5

恋をするには、鍵と鍵穴が必要なんだ。

私はずーっと探していた。

自分の鍵穴に合う鍵を…………

*****
『わ、忘れ物した……』
「え、」
全ての授業が終わり、帰宅の人は次々と帰り、部活の人は各部室に行っている時間。
私は帰宅の部類に入っているため、仲のいい友達と会話を弾ませながら帰っていた。
だが、ふと気付いた。
カバンに明日出さないといけない、宿題のプリントを入れていなかった事を。

『ちょっと取りに行ってくる！』
「えー多分、教室の鍵開いてないよー？」
『鍵、職員室に行って借りるから大丈夫！！先帰ってていいよ！』
と、言い終わると職員室に行くため、友達をほって走った。
*****
『鍵がないっ！？』
「んー…教室は閉めてあるんだけど、鍵はないんだよー…多分、部活の子が持ってるんじゃないのかな？」
只今、緊急事態発生。
ご察しの通り教室の鍵がないんです。

(誰が、誰が鍵を持っているんだろう？)

クラスの人で、部活に入っているのは半数以上。それを、今からひとりひとり声をかけないといけない……という事になるのか…………
諦めるか、いや、明日宿題をだせない。それは、私のプライドに反する。
返すのを待つか、でも、そうなると帰る時に、暗くて死ねる。

(探すかぁ………)

*****
「え？鍵？ごめん持ってないや……」
「教室の鍵？俺は持ってねぇなぁ……」
『……はぁ……ど、どうしよう…………』
各部活、サッカー、野球、吹奏楽、美術などなど、運動部、文化部の部活に行っても、一向に鍵は見つからなかった。

(あとは………自転車部。)

その前に、自転車部ってなんなんだ？あるのは知っていたが、主に何をやっているのかが分からない。
ただ、自転車をこいでいるだけなのかな？
(……それじゃあ、愛好部でも良くない？)
なんて、一人ムンムンと考えているうちに、自転車部の部室に到着していた。
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NEXT……!!
荒北くんどころか……自転車部の人すら出てないっ！？

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