【弱虫ペダル】ジュリアンの花火が咲き乱れる時【短編集】

オクビョウな君へ　2　東堂　男主 ページ4

(マジかよ………)

東堂の言葉に、俺は目を丸くして驚いた。

(……あの、東堂がふられる。)

この学校で1〜2位を争う位、女子に人気がある東堂がふられることがあるのか………しかも、俺は東堂の好きな奴を知っている。
その女の話をするときの東堂の目は、自転車に乗っている時と同じ目で、嬉しそうに話していたのを覚えている。
本当に、純粋に、片思いをした相手にふられる。
それは、つらい事だろう………でも、何故一番の親友である俺にすぐ、話してくれなかったのだろうか。

(……！…ま、まさかっ！！)

『なぁ、まさか……その女……俺の事が好きだから、お前の事ふった……とか？』
と、疑わしく聞くと、東堂の肩はビクつき、ゆっくり縦に頭を振った。

(最低だ……俺………)

まさか、東堂も予想していなかっただろう。
本気で片思いした女が、一番の親友に取られる事を…………
だから、すぐ俺に言えなかった……のか。

『東堂……憎んでるか？俺の事。』
「は……？」
『…憎むよな、好きな人を俺にとられるなんて………ごめんな、東堂。悪気はなかった……俺、どうあやまr((「謝るなっ！！」……え？』
泣いていた東堂が突然叫んだ。
叫ばれたこっちもびっくりし、身が引いた。
「謝るな……Aは……悪くない……けして……」
『東堂………』

小さな声だが、全部俺の心に響いた。

『よっしゃ！！』
「うおっ！？やめろ！！髪が崩れるじゃないか！！」
未だにうつむいている東堂の頭を、わしゃわしゃと撫でまわすと、手を振り払われた。
『恋なんて、恋愛なんて、彼女なんて、また探せばいい！！お前なんて、超ー女子に人気があるんだぜ？すぐ、いい奴が見つかるって！！』
「よっ！眠れる森の美形！！格好いい！！」ヒューヒューとか言いながら、東堂をちゃかすと……
「ハハ、ハハハハッ！！そうだな！！俺は眠れる森の美形！！俺の美形があれば、女子全員イチコロだっ！！」
と、今日初めての笑顔を見せた。

うん。東堂は笑ってたほうがいいな……

ん？なんでこんな事考えてるんだ？俺……
………変なの……………



END………!!
*おまけ*
『よーしっ！何か食おうぜ！！食べたいものはあるかー？奢るぞー』
「何でもいいのか？」
『いいぞー！何でも食えー！！』
「じゃあ！鯛茶漬け！！」
『高ぇ！！！』
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