【弱虫ペダル】ジュリアンの花火が咲き乱れる時【短編集】

３日前　初心者向け料理本 ページ23

「はい、プレゼント」
『……え？』
青い空に向かって息を吐けば、吐いた息は白くなり、冬を主張している。
いつも、私の彼氏である黒田君の部活がない時、朝一緒に学校に登校している。
そして、今日。朝練がない黒田君は、わざわざ私の家まで来てくれて、一緒に並んで登校する。
ただ、会話をポツリポツリとしていると、黒田君に可愛くラッピングされたプレゼントを貰った。
「誕生日おめでとう」
『え！覚えててくれたの！？』
「覚えてるに決まってんだろ？」
その言葉を聞いてて、私は小さな子供もみたいにはしゃぎながら「開けていい！？」と言うと、黒田君は少し微笑み、許可してくれた。
可愛いラッピングされているので、ゆっくり丁寧に開けると…………
『料理……本……？』
「おう、お前、料理下手だからな」
包装紙に包まれていたのは、初心者向けの料理本で、ただその本は、私が料理ができない事を踏みにじっているように思える。
『え、えー！！こ、これだけー！？』
「なんだよ、不満あるか？」
『な、ないけどさ…………」
彼氏貰った誕生日プレゼント。その言葉が、私から黒田君への文句をかき消し、黙らばせた。
少し落ち込んでいたら、黒田君に頭を撫でられた。
「料理上達して、俺の誕生日にご馳走作ってくれよ？」
なんて、笑顔で言うから、私も一緒に笑ってしまう。
今日、この頃。






END……!!

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