レギュラス様の生還 ページ5
玄関の呼び鈴が、何度か音を鳴らした。
「お客様？」
私は呟く。
最近奥様の肖像画と、クリーチャーとしか話していなかったせいか、独り言が思わず口に出てしまうようになった。
それにしても、変だ。
この邸は主人様が亡くなる間際、魔法使いが知る限りのあらゆる安全対策をかけたというのにお客様？
私は玄関まで歩く。
するとそこには……。
「レギュラス様？」
目を、こする。
ここにレギュラス様がおられるわけがないのだから、人違いだろう。
「どなた様でしょうか？」
「レギュラス……です」
「レギュラス様は、一年ほど前に失踪し、お亡くなりになられました」
「……それが、生きていたんだ……」
「……では、あなたが、三年前最後にこの家を出るとき、わたくしめにおっしゃった言葉は？」
「この家を、母様を、クリーチャーを頼む」
その言葉を聞いて、瞳に何かがたまる。
「……！A……！」
「っ今まで……どこに行っていらしたんですか……！当主様に奥様はお亡くなりになられ……奥様はつい最近まで生きていらしたのに！どうしてもう少し前に帰ってきていただけなかったのですか？なぜ……せめて死ぬ間際にさえ……奥様の前に現れてくれなかったのですか？」
相手が主人だということを忘れ、怒鳴る。
何が悲しくて、何が恨めしくて、もう、何がなんだか分からず、ただ、涙を流した。
「あなたは、ひどい方です。勝手な方です。なんで……なんで……」
「ごめん。A」
レギュラス様はやはり優しげに仰せられる。
彼は私の頭を撫でた。
「……っ申し訳ありません。レギュラス様がお帰りになられなかったのは、何か事情があったからですね」
「……」
彼の頭を撫でる手は昔から好きだ。私はレギュラス様とは一つ、シリウス様とは二つ年が離れている。
昔からお二人にひっついて、遊んでもらおうと必死だった。
しかしシリウス様にはいつもふられて、その度に泣きそうになる私を、レギュラス様が撫でてくださった。
今考えれば、使用人である私が主人であるシリウス様たちと遊ぼうなど、図々しいのもいいところだ。
「……わたくしも、クリーチャーも寂しかったのですよ。さあ、奥へ」
レギュラス様を招き入れ、今へと案内する。
左手に見えた闇の印が、怪しく光った気がした。
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あんころころもち(プロフ) - mayaさん» わあ、すごい褒めてくださる笑 とても嬉しいです、ありがとうございます。こちらの小説は遅いレベルでなく遅い更新ですが、それでも読んでくだだってありがとうございます！嬉しいです！ (2021年10月13日 21時) (
レス) id: b2f6b1abb2 (このIDを非表示/違反報告)
maya(プロフ) - 作者様の作る作品はどれも”ありきたり”の枠をぶち抜き、予想もできないような物語となっています。読むのが楽しくて楽しくて……ずっと応援してます！ (2021年10月12日 8時) (レス) @page35 id: 4daf17fee8 (このIDを非表示/違反報告)
あんころころもち(プロフ) - アリスさん» ありがとうございます！レギュラスと一緒に原作をぶっ壊しながら()頑張ります！！(( (2018年9月21日 18時) (レス) id: 3a28a46e4d (このIDを非表示/違反報告)
アリス - 原作とは違うけど、これはこれで本当に面白い。レギュラス、頑張って！作者さんも更新頑張ってください！ (2018年9月20日 23時) (レス) id: 57561729ab (このIDを非表示/違反報告)
あんころころもち(プロフ) - 名無しさん» ありがとうございます！頑張ります！ (2018年8月14日 16時) (レス) id: 3a28a46e4d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あんころころもち x他1人 | 作者ホームページ：
作成日時：2018年8月8日 18時
