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死喰い人たちとポッターは話を進める。僕はその間、考えていた。
「……か、」
「どうしたの？」
ふと、思いついた僕は小さな声で最初の一文字を呟いた。ジニーが耳ざとく聞き取る。僕は口を動かさないようにして、続けた。
「ポッターの夢は、開心術だったんだ。だから、ここの連中は……」
「ポッターよ、そこの奴らを黙らせてくれるか？」
ぼそぼそ声とは言え、この距離では聞こえたのだろう。僕は急いでネビルの後ろに隠れたけれど、ルシウスさんは気づいたらしい。
「……A？Aなのか？」
ルシウスさんが、僕を見つけてしまった。バチリと目があい、僕はその瞳から逃れるように、視線を下ろした。だけれど彼は、彼らは、それを許してはくれない。
戸惑うように視線をずらした僕に、ルシウスさんはどう解釈したのか、優しげな口調で言った。
「ポッターに脅されたのか、かわいそうなA。こちらへおいで」
手招きされて、僕はそちら見る。ルシウスさんはやんわりとした笑みを浮かべて僕を見つめた。
逃げ出したくてしょうがない。純血主義者として、ブラックの一員として、ここで一歩前に踏み出したほうがいいに決まっている。でもなぜだが、僕にはそれができなかったのだ。
「A？なにをしている？こっちに早く来い！」
ルシウスさんが一歩踏み出すと、ポッターが彼に杖を向ける。
「Aは僕の仲間だ」
胸が、きりりと悲鳴をあげた。どうして、彼は、何の疑いもなく僕を仲間だと言えるのだろうか。僕は根っからの純血主義で、ずっと前から彼らのことを見下していたというのに。彼はなにを、一体僕の何を知っているというのだろうか。
ネビルやジニー、ルーナも僕を守るように前に出た。
「なにを言っている、ポッター。Aが貴様の仲間なわけはないだろう。彼は根っからのこちら側の人間だ。そうだろう、A」
僕は黙って顔を上げる。彼の薄いブルーの瞳が、僕をまっすぐと見つめる。
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作者名：あんころころもち | 作者ホームページ：
作成日時：2021年9月20日 0時
