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「あ、来たわ」
バサバサとフクロウが飛んでくる。彼女は少し小走りで、窓へと寄る。
「3通あるわ。ありがとう、ベス」
機嫌よさそうにダフネに頭を擦り付けるフクロウ、ベス。黒い羽の美しいフクロウである。それにしても、ダフネによく懐いてる。
「あれ、ダフネのフクロウなの？」
「いいえ、ノットのよ。私たち幼馴染だもの。昔仲良かったもの」
「……ああ、そっか」
ベスから受け取った手紙を僕らに手渡して、それを開け始める。僕は朝食を食べ切った後に、それを開けた。
「……どうだった？」
「まあ、まずまずってとこだな」
「私も。ほとんどEだもの」
「すごいじゃん」
「すごかないわよ。変身術には自信があったの。絶対にOを取るつもりでいたの。……悔しいわ」
「セオドールは？」
「僕はEはない」
「え？……え、待ってそれって……」
セオドールに限って、全てにおいてE以下であるわけはない。スリザリンのトップの成績を誇る彼である。困惑する僕に、理解したような顔をしたダフネ。いや、まさか、それは、さすがに……。
「み、見せて」
おそるおそる言うと、セオドールはぽいとこちらに成績表を渡してきた。それを見て、僕らは驚く。
「なにこれ、気持ち悪」
「……私、ノットのこと見くびってたわ」
「ね」
そこにはほぼ全教科Oが並ぶ成績表。僕も大概成績がいいと思っていたが、そんな自分が恥ずかしいくらいである。
「あ、でも、飼育学はAだ」
唯一のＡ評価に、僕は言う。するとダフネもそれを見て、肩をすくめた。
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作者名：あんころころもち | 作者ホームページ：
作成日時：2021年9月20日 0時
