蛇の僕と獅子の君。Part 9【ハーマイオニー・グレンジャー】 (ページ32)

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「おい、起きろ。A」

　体をゆすられて飛び起きる。目の前には珍しくゆがめた顔をしたセオドールが立っていた。僕は目をこすって、彼の顔を見る。

「どうしたんだよ」

　ここ数日で分かったことは、セオドールの家での朝は異常なくらい早いということだ。

　僕がたまたま四時過ぎに起きた時には、彼はすでに起きて部屋の掃除をしていた。手伝おうとすればすごい剣幕で怒られたから、僕は大人しくいつも六時ごろまで眠っている。

「ダンブルドアが来てるぞ」

「ダンブルドア？……えっ、あの、校長先生の？」

「ああ。君何かしたの？」

「してないと言えばうそになるけど……」

　怒られる原因と言えば、前学期のことだけれど、てっきりおとがめなしなんだと思っていた。

「アポなしで？」

「いや、数日前に連絡がきた」

「え、待ってそれ僕知らない」

「昼に来ると言われたが、僕はそこまで彼を好きじゃないし、迷惑をかけてやろうと思って朝の5時に時間を指定したんだ」

「えっ……なにそれ、珍しくめっちゃ子供じゃん」

「しまったな。君の幼稚さが移ったようだ」

「君ね……」

「早く着替えろ。僕は下に降りてダンブルドアの機嫌を取っておくから」

　足早に部屋を去って行くセオドールを見つめながら、僕は一つあくびをこぼした。そしてかけておいた服を着る。

　何でダンブルドア先生がここに訪れたのか、いまいちよくわからないけれど、僕は廊下に向かって足を進めた。