蛇の僕と獅子の君。Part 9【ハーマイオニー・グレンジャー】 (ページ17)

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また数日が経過して、いつの間にか学期末の三日前になっていた。忙しくていろいろなことを忘れていたけれど、僕は少しだけ余裕を取り戻していた。

　さて、シリウス・ブラックの無罪が証明されたことから、僕は前以上に有名人になった。新聞社からは取材の依頼を受けたり、誰か知らない人から謝罪と応援のメッセージをもらったり、まあいろいろと面倒なことばかりである。

「あらこれ、私はシリウス・ブラックをずっと無実だとわかったって書いてあるわよ。愉快な人ね」

　手紙の束を前に、ダフネが不機嫌そうに言う。連日これだ。面倒でたまらないのだろう。そしてそれについては、僕も全くの同意である。

「グリーングラス。開けるべきじゃない」

「……え？ああそうね、ごめんなさいA」

「いや、そうじゃなくて、なにが入ってるかわからないだろ。昨日Aはカミソリで手を切った」

「えっ？大丈夫なの？」

「言わなくていいのに。これくらい平気だよ」

　僕はそっと手を隠しながら言った。本当に浅い傷で、特に気にする必要もないくらいのものだ。もう処置もすんでいるし、心配されるほどのことではない。

「どうにかしてもらえるように、私からスネイプ先生にお願いしておくわ」

「いいよ」

「だめよ。どうせ何が入ってるかわからないようなこのお菓子だって食べる気はないんでしょう？学生の本文は勉強よ。こんなものないほうがいいの」

　はっきりと言い張ったダフネ。僕は「はぁい」と言って、ダフネの言葉に従った。