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さて、あの黒犬と戯れてから、僕は寮へ戻った。セオドールやダフネはもう寝室に戻っていて、僕は一人、誰もいない談話室のソファに座っていた。時刻は12時の少し前。本来であればベッドで横になって雑談をしているであろう時間帯。でも僕はその時、どうしてもそわそわして、気になって横になるような気分ではなかったのだ。
「レギュラスさん」
小さな声で、飽きずに親戚の名を呼んだ。あんな終わり方で、僕がはい、終わりですと引きさがれるわけがないじゃないか。
「どうしたの、A」
あっさり出てきてくれた彼に、少し驚いた。だけれど当然、それは口には出さずに僕は言う。
「さっきの続きを聞きたくて」
そう言うと、彼は思った通りとばかりに微笑んだ。それが妙に様になっていて、不覚にもかっこいいと思ってしまった(いや、いつもなら普通にかっこいいと思うけれど、今はちょっとなんと言うかムカついた)。
「あの時のことを、ルーピンが知っていることはないだろうね。知っているとしたら、アンナか、__ああ、呼びにきた女の子のことだよ。それから、クラウチ。……クラウチ？」
「……？」
レギュラスさんは自分に言った言葉を考えるように首をひねった。思案するように眉を寄せ、口元に手を寄せる。数分間僕はそれを見つめて、だけれどその居心地の悪さに口を開いた。
「どうかしたんですか？」
「いや。ううん。ただ少し。クラウチ__僕の学生時代の友人なんだけど。彼なら知っている。うん。僕の学生時代の全てを。もしかしたら、いや、しかし彼はもう、」
またしても彼は考えるように、ブツブツとつぶやき始めた。
「ねえ、クラウチって？誰ですか？」
「バーティ・クラウチJr.。クラウチさんって言う人が来ていないかい？その人息子だよ。ところで、ごめんね。A。僕はもう行かなくちゃ。クリーチャーが探している」
「え？」
そう言うと、彼は僕の返事も待たずに肖像画から消えてしまった。僕には何が何だか分からず、呆然と、誰もいなくなった暗い肖像画を見つめていた。
ーーー
個人的にレギュラスの「バーティ」呼びも好きだけど「クラウチ」呼びも好き。特に深い意味はありません。
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あんころころもち(プロフ) - 宮野 ミヤさん» あけましておめでとうございます〜！5の方に続きコメントありがとうございます！！ まとめて書いていたんですけどまさかここまでになるとは思わず笑 更新は遅いですが、頑張りますのでお付き合いいただけたら嬉しいです！ (2021年1月3日 12時) (
レス) id: fe5abc0f94 (このIDを非表示/違反報告)
宮野 ミヤ(プロフ) - あけましておめでとうございます！新年早々たくさん更新して頂いてめっちゃテンション上がりました(´∀｀*)今年も楽しく閲覧させていただきます！無理せず頑張って下さい！！ (2021年1月3日 1時) (レス) id: 6a76999131 (このIDを非表示/違反報告)
あんころころもち(プロフ) - onigoritunamayoさん» 素敵なお言葉をありがとうございます！これからもそう言ってもらえるように頑張らせていただきます！！コメントありがとうございます！ (2020年12月1日 18時) (レス) id: fe5abc0f94 (このIDを非表示/違反報告)
onigoritunamayo(プロフ) - すごく好きなお話で楽しんで見させてもらっていますこれからも頑張ってください (2020年12月1日 17時) (レス) id: 735aa1c384 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あんころころもち | 作者ホームページ：
作成日時：2020年11月28日 0時
