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さて、入学式は終わり、寮についた私たち。用意された部屋に入ると、そこには4人の少女達がいた。
一人はマリア。話の中心になって、ニコニコと笑っている。先に行ってしまったのかと、少し残念に思ってしまったけれど、それは口には出さなかった。
「あら、プルウェット」
高圧的な高い声が、私の耳に響く。私は軽く耳を抑えた後に、「なに?」と問い返した。
「あたしはマーガレット・パーキンソン。知っての通り聖28一族のあの、パーキンソンよ」
「あっそう、それなら私は聖28一族のプルウェットね」
「はぁ?あんたたち一族に、それを名乗る権利があると思ってんの?血を裏切る薄汚い家系のくせに」
「なに、人の家族を侮辱する権利があんたなんかにあるわけ?埃かぶった伝統のくせに」
「何ですって」
つい言い返してしまった。心の中で反省するけれど、だけれど初めから嫌味な話し方をしたのは彼女自身である。
「まあまあまあ。マギー。怒るだなて上品じゃないわ。落ち着いてちょうだい。ね、メアリアも」
そこに仲裁に入るのはやはりマリアで、その彼女は美しくてたまらない。
「どういうこと、マリア。あなたは純血主義なんでしょう?まさかこんな子と友達なの?」
「こんな子って、」
どういうこと?
と問う前に彼女は私を片手で制する。そして言うのだ。
「友達よ」
「あんな血を裏切る者と?」
「ねえ、マギー。あなたたちと同じ、きっと純血を誇りに思っているのよ。だってメアリアは、スリザリンに入ったんですもの。ね」
「……」
それでも不満そうにパーキンソンは私を睨む。私も彼女を睨み返すと、パーキンソンはわざとらしくため息を漏らした。
「まあいいわ。ねえマリア。あなたのベッドはこっちよ。私、あなたの隣がいいの。プルウェットは私の反対のベッドを使ってね。あんたと同室ってだけでも嫌なのよ、今までにあなたが触れた穢れた血が移っちゃう」
「それだけで移るだなんて、」
「まあまあ、ね、メアリア」
マリアは困ったように美しく微笑んだ。
私は言いたいことを飲み込んで、パーキンソンと反対側のベッドに座る。不満に顔を歪めて、その後にベッドの中に沈み込んだ。
パーキンソンのやつ、気に入らない。
結局その日、私はマリアと喋ることなく、1日を閉ざすのだった。
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作者名:あんころころもち | 作者ホームページ:
作成日時:2020年8月7日 0時