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さて、それから数ヶ月。すっかり普通に話をするようになったパーキンソンと、マリアを挟んで歩いていた。
しかしこのむかつくパーキンソンとかいう女は、わざと自分だけのわからない話をマリアとするのだ。本当に、底意地悪い女である。
「それでね、ウィリーったらなんて言ったと思う？」
「……わからないわ。教えてちょうだい」
「私のことが可愛いですって。きゃー！嬉しいわ」
今は恋バナ中。
ウィリーとは確か一つ上のスリザリン生で、非常に整った容姿をしている。パーキンソンは非常にお気に入りらしく、いつもいつも彼がかっこいいだのなんだの言っているのだ。
まったく理解できない。したくもない。
「それでね、……」
鳥のようにピーチクパーチク騒いでいたパーキンソンの口が、ふと止まった。彼女はある一点を見て、眉を顰める。
マリアと一緒に、その視線の先を追う。
「ウィリーだわ」
ボソリと呟くと、彼女は何も言わずに歩き出した。
ウィリーは今、グリフィンドールの問題児二人に絡まれていたのだ。
「やーい、マヌケなスリザリン生。君たちがそんなものを友情があるだなんて、知らなかったな。もっとも、まがいものには違いないんだけどね」
「違いねえ！」
ゲラゲラと笑うシリウス。ウィリーは鼻から血を流しながら、ジェームズをキツく睨んでいた。
「なにをしているの」
眉を顰めて、自分よりも背の高い彼らを睨みつけるパーキンソン。そんな彼女に、少し驚いた。
「意外と、正義感が強いんだ」
「……そうね」
マリアをチラリと見ると、彼女はやっぱり作り物のような美しい顔で、その様子を見つめていた。
「私、先生を呼んでくるわ」
見ていることに気がついたのか、マリアは困ったように微笑んで、城内へと入っていく。
数秒彼女に見惚れたあと、そのまま視線をパーキンソンに戻せば、なんとまあ、すでに杖を使ったドンパチが始まっていた。
「……ああ、くそ！」
2対1では明らかにパーキンソンが劣勢。それでも必死に杖を振る彼女に、私の体は勝手に動いたのだった。
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作者名：あんころころもち | 作者ホームページ：
作成日時：2020年8月7日 0時
