検索窓
今日:14 hit、昨日:7 hit、合計:5,374 hit

-Side M- ページ37

「プルウェット!」

「パーキンソン!」


 目をキラキラさせながら、同時に言った。ハイタッチするために掲げた手を、目があったと同時に下ろす。

 気まずくて視線を逸らせば、相手も同じだったようで、少しゆらゆらとしながら変な方向に逃げていった。


 今日のこの試合、彼女とのコンビネーションで、あの性格終わったクソ爆発メガネに勝利したと言っても過言ではない。めちゃくちゃに嫌だった地獄の猛特訓が成果を表したのだ。

 結果スニッチを取ったのはグリフィンドールではあったものの、ギリギリセーフでスリザリが勝ったのである。の時のポッターの顔と言ったら爽快ものだ。


 だから、思わず、宿敵とハイタッチをしそうになった。思わず、スポーツマンとしての血が騒いだのだ。ウン、多分、そう。


 気まずくて下げていた視線を上げれば、すでにパーキンソンはチームのみんなの輪の中にいた。当然、嫌われ者の自分にはその中に入る勇気すらない。別に、気にしてなんてないのだけど!


 虚しさに、ほぼ無自覚に、視線を客席に移し、やっぱりほぼ無自覚に美しい金髪を探す。金髪なんてたくさんいるけど、彼女ほど綺麗な金髪を知らないから、すぐに見つけることができた。


 彼女__マリアは案の定多くの人に囲まれている。じっと見つめていれば、彼女は気づいて、こちらに大きく手を振てくれた。

 それが、それだけで、嬉しくてたまらなくなる。


「プルウェットさん」

「!?」


 そんな嬉しさに浸っていたから、名前を呼ばれて激しく肩を揺らす。そこには確か二年生の、レギュラス・ブラック。

 あの教室の埃を集めたような女以外に、唯一話しかけてくるチームメイトである。

次ページ→←前ページ



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (12 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
18人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:あんころころもち | 作者ホームページ:   
作成日時:2020年8月7日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。