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さて数分後僕は、薬草を取りに行こうなどと判断した自分を恨んでいた。なぜならまたあの女と居合わせたからである。
医務室で管理されている例の薬草は、先生の許可がなければ取ることはできない。先生が薬草をとっている間、僕は医務室で待機していたというわけだ。
シャフィクは、カーテンの前の椅子に座っていたレギュラスに、声をかけていた。ここまでくれば気になるのは人間のさが。僕は仕方なく聞き耳を立てた。
「ごきげんよう、レギュラス。巻き込んでしまってごめんなさいね」
「いえ、とんでもないです。ただ、あの二人」
困ったようにそう言う理由は、先生がいないことをいいこと言い争っている、カーテンの向こう側の二人のことだろう。
「大丈夫。マギーもメアリアも、いい子だもの」
いい子！
彼女はあの二人をいい子だと評価を、心の中で軽蔑する。何がいい子だ。パーキンソンは身内にこそ丁寧に絡むが、自分の敵を非難することに戸惑いがない。
プルウェットの方が、いつもスリザリン生を馬鹿にしている。これに関しては彼女だけの責任ではないけれど、連んでいるスリザリン生を見る目は冷ややかで、それが一層嫌われる理由だった。
「でも、その、すごく仲が悪いですよ？」
「あら……、……ええ、そうね」
妙な間。
いつもならば変な女だとすぐさまにでもその場を離れただろうが、先ほどの会話を聞いたかたか、彼女に少し興味が湧いたのかもしれない。
「仲良くなってほしいのよ。私は二人とも好きだもの。理想と現実が入り混じっていたの」
「そうですか」
「ええ」
「二人のことを心配してくれてありがとう、レギュラス。でも、きっともう大丈夫よ」
そう言い切るシャフィクに、不気味な女だと思った。僕は急いで薬草をとると、その場を去る。
去り際、もう一度彼らの方を見れば、バチリと目があった。やはり気味が悪くて、にこりと笑ったあの女を無視し、急いで医務室を出て行った。
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作者名：あんころころもち | 作者ホームページ：
作成日時：2020年8月7日 0時
