415限目 ページ8
「り、リディクラス……」
「君は本当に愚かだな、ケフェウス・ブラック」
「へ……」
「君のせいで、僕の母は死んだ。兄も死んだ。すべては君のせいだ」
からん、音が部屋に響く。杖が、手から滑り落ちた。立っているのはレギュラスさん。冷たい、力強い瞳。いつもと違う、僕を責め立てるような、恐ろしい、瞳。目をそらしたい。でもなぜか、それができなかった。
こんなこと、言う人でない。こんなこと、思う人ではない。そう思うのに、今の僕には正常な判断が及ばなかった。
「もし君がもっとしっかりしていれば、ブラックはこんなにも落ちぶれることはなかったかもしれない」
耳をふさぐ。それ以上のことを聞きたくはなかった。だけれど、耳をふさいだというのに、彼の冷たい声は僕の頭のなかへ響いた。静かで冷たい声が、恐ろしくてたまらない。
「君さえいなければ」
彼は小さな声で呟いた。
「お前のせいだ!」
そして、突然、彼は声を荒げた。僕は肩を揺らしてレギュラスさんを見つめる。先ほどまでただ冷たかった瞳に、熱が帯びる。
「お前さえいなければ! 母上はあんなことにはならなかった!」
「お前さえいなければ! 兄上はあんな亡くなり方をされなかった!」
「お前さいなければ! お前さえ! お前のせいだ!」
大きな声が鼓膜を揺らし続ける。心が痛くてたまらない。頭を掻きむしって、膝に顔をうずめる。もう、何も見たくはなかった。
「もう二度とブラックの敷居を跨ぐな、この血を裏切る者め!」
637人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あんころころもち@多忙(プロフ) - さくら。さん» コメントありがとうございます🫶そう言っていただけて嬉しいです!ありがとうございます!!亀更新にはなりますが、よろしくお願いします! (2月1日 15時) (レス) @page17 id: 45eb699a28 (このIDを非表示/違反報告)
さくら。(プロフ) - あんころころもち@多忙さん» 更新楽しみにしてました!!あのですがマニ。の妹です、姉と会話してるボードの方とかでも仲良くしてくれてありがとうございます!これからもマニ。を宜しくお願い致します!これからもファンとして応援しまくります📣、あんころころもちさん!☺️ (1月31日 7時) (レス) id: c4b8377817 (このIDを非表示/違反報告)
あんころころもち@多忙(プロフ) - あさりさん» わー!嬉しい❤️ そう言っていただけたら、頑張って書いた甲斐があります! 今現在非常に多忙ゆえに色々できていないのですが、この多忙期間が終われば、更新ができればなあと思います!改めて、ありがとうございました! (5月11日 8時) (レス) id: 3acb9dc229 (このIDを非表示/違反報告)
あさり - 更新ありがとうございます!いつもワクワクしながら読んでいます<3たまに読み返すのですが本当にいい作品だなっと思っています。お忙しいと思いますが、体に気をつけてこれからも頑張ってください!長文失礼しました〜 (2023年5月2日 16時) (レス) @page13 id: 3010b0fc17 (このIDを非表示/違反報告)
あんころころもち@多忙(プロフ) - セドリック推しぃさん» 返信が遅くなってすみません。セドリック推し!いいですね。セドイケメンですもんね!この話を終わらすのかなーり時間がかかってしまうと思うのですが、検討します!コメントありがとうございました🫶 (2023年2月8日 1時) (レス) id: 54c52f82c3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あんころころもち | 作者ホームページ:
作成日時:2023年1月24日 19時