【ハリポタ】ハリーポッターと最後の星【黒家族】 (ページ35)

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さて、女の子はあくびをしました。誰も見ていないからと言って、口元に手を置くこともしません。女の子は首をかいた後に、なにやら物音を聞きました。

誰かが、扉を開けて入って来た。そう、直感します。クリーチャーは見ていません。他には女の子以外、誰もいないのです。

女の子はそろりと、いつもクリーチャーが入ってくる扉に手を触れました。だけれどやはり、鍵が入っていて開きません。しかし女の子は、諦めませんでした。

辺りをキョロキョロと見回して、なにやら良さそうなものを発見します。そしてニンマリと笑うのでした。

なぜ、今までなにもしなかった自分が、ここまで動いているのか、女の子にはわかりません。だけれど今を逃してしまったら、一生外に出ることはできないと、なんだかそう、思ったのでした。

物語に出る登場人物は、いつもここで魔法の杖を取り出して、一言呟くのです。そうすれば扉はなぜか開いてしまう。だけれど女の子にはそんな力は宿ってはいなかったし、普通の人間であればそんなことはできないと、女の子は理解していました。

ガッシャーン！！
女の子は耳を抑えます。傷ついたドアを見て、女の子は目を輝かせました。一度上の兄が持ってきた、海賊の本でした。そこで海賊たちは、短にあったもので、ドアを叩き割ってしまうのです。

女の子は何度か扉に椅子を投げて、ついに扉に穴を開けました。その穴からどうにかこうにか努力して、外へ飛び出るのです。

しかし穴を開けたあの大きな音で、クリーチャーがやってこないか少し不安でした。もしも外に出たのがバレたのならば、きっときつく叱られてしまうでしょう。

しばらくして、クリーチャーが来ないことを感じた女の子は、上へと続く階段を登り始めました。すると向こうからヒソヒソと声は聞こえて、その音につられるように、女の子は歩いて行くのでした。