5限目 ページ6
「……いつも気持ち悪いけど、今日は格段に気持ち悪いな、A」
「ひっどいな、君」
気が緩むとにやける頬を抑えて、僕は親友であるセオドールに言葉を返す。
彼はそんな僕を無視し、持っていた本に目を落とした。
ただ今、寮で僕はセオドールと宿題をしていた。
ルームメイトはこのセオドールと、ドラコにザビニ、それからクラッブとゴイルだ。
聖28一族が三人、ということで六人だが部屋は広い。
教室二、三個は余裕で入るんじゃないかと言うくらいの大きさだ。
しかし今は僕とセオドールしかいない。
きっとザビニは女の子を引っ掛けに行って、ドラコやその取り巻きたちは自慢話をするのに忙しいんだろう。
「何かあったのか？」
「べつに。ちょっといいことがあっただけ」
「……」
「ねえセオドール。好きな人っている？」
「……」
何言ってんだお前、と言う目を向けられる。
「いるわけないだろ」
「セオドールったら寂しいなぁ」
「……」
「視線が痛いんだけど」
と、そんな時扉が音を立てて開く。
「お、何お前ら恋バナ？」
「ザビニってなんでそんなに優男なの？」
「誰が好きなんだよブラック」
薄ら笑いを浮かべ、ザビニ、ことプレーズ・ザビニは言う。
クルンとカールした髪に少し黒い肌、イケメン(僕の方が整っているけど)。
なんて言う悪口を心の中で思い浮かべる。
しかし、ふと思って、僕はザビニに問う。
「ザビニは好きな人ができたらどうすんの？」
「……えっ、なに、お前の口からそれ聞きたくなかった」
「まあザビニはいないか。女の子なんてどうでもいいもんね」
「……お前、気持ち悪いぞ、ガチで」
「どこがだよ！」
「ニヤニヤしてる」
「……！？」
バッと手で頬を抑え、ザビニを睨む。
「クソ野郎女の敵いつか刺されてしまえ」
そう言い僕はベッドに入り、垂れ下がったカーテンをシャッとしめる。
カーテンの外から、ザビニやセオドールの話す声が聞こえた。
「あいつマジで頭大丈夫かよ？」
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あんころころもち(プロフ) - 風見ツクヨさん» コメントありがとうございます！読みやすさの自信が全くなかったので、そう言っていただけるととても嬉しいです。 ブラックくんは私の性癖をどうにか詰め込ませていただきました…！誤字のご報告もありがとうございます！訂正させていただきます！ (2021年3月13日 0時) (
レス) id: 1bdb7e36df (このIDを非表示/違反報告)
風見ツクヨ(プロフ) - はー、好き。好きすぎる。読みやすいしブラックくん可愛すぎかよ。あ、七限目のところ「〜に」が「をに」になっていますよ。 (2021年3月12日 23時) (レス) id: 4051fdcb81 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あんころころもち x他1人 | 作者ホームページ：
作成日時：2019年4月11日 22時
