アヤとスズ ページ45
『アヤおねえちゃん』
「スズ？」
『お別れだよ』
「…え？」
鳥かごの中にいるのはアヤ。
外にはスズ。
『もう、スズはいらないでしょ？』
淡々と言う。
その言葉に戸惑いを隠せないアヤ。
『強くならないとダメだよ』
スズは鳥かごの鍵穴に手をかざした。
【ガチャ】
ギーっと音をしながら扉がゆっくり開く。
「スズ…『アヤおねえちゃんには彼らがいる』」
アヤの声に被せるように言った。
『大切な人達なんでしょ？』
真っ直ぐに見つめられ、頷く。
『守って、守られてね』
目を細めて、微笑む。
逆にアヤは涙を溜めていた。
『…スズなんかの為に泣かないでよ』
「“なんか”じゃないよっ！」
鳥かごから飛び出して、スズを抱きしめた。
「ゴメンね…っ、スズ…！」
『なんで謝るの…』
スズはアヤを離した。
そして、アヤのほっぺたをつまみ、
『ほら、アヤおねえちゃんは笑ってるほうが似合ってるよ』
「ぅ、うん…」
そう言ってるスズも泣いているが、アヤは言わなかった。
『大好きだよ、アヤおねえちゃん』
スズの周りが光だした。
「私も、スズが大好きだよ」
そして、スズは眩い光に包まれた。
それと同時に、アヤは目を閉じた。
(ありがと、スズ)
静かに、一筋の涙を流した。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 29人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
アンジュ(プロフ) - ありがとうございます！ (2018年11月19日 23時) (
レス) id: bf4fe605a6 (このIDを非表示/違反報告)
優希(プロフ) - この小説、大好きです！更新、楽しみにしてます！頑張ってください！ (2018年11月19日 11時) (レス) id: 28bd392d70 (このIDを非表示/違反報告)
アンジュ(プロフ) - 投票、応援に感謝desu！ (2018年9月7日 23時) (レス) id: bf4fe605a6 (このIDを非表示/違反報告)
ふぶき(プロフ) - 私も2番でお願いします。これからも楽しみです！頑張ってください！ (2018年9月6日 21時) (レス) id: 54c2af14f7 (このIDを非表示/違反報告)
アンジュ(プロフ) - 水族館に一票ですね！ 緑野実鈴さん、投票をありがとございますっ！ (2018年9月3日 15時) (レス) id: bf4fe605a6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：アンジュ | 作成日時：2018年8月7日 23時
