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幼なじみ組 ページ36

夕緋side


「アヤ元気かな〜?」


弟の千翠の部屋に、俺と蒼也がいる。


「何かあったとしても、あの子たちがいるから大丈夫だよ」


小説を読みながら蒼也が言った。


「けどよ〜、なんか悔しくないか?」


俺はベッドで寝っ転がった。

すると、ドアが開いき、熱い空気が冷房が効いてる部屋に入ってきた。


「お待たせ。蒼也、アイスで良かった?」

「もちろん。ありがとね、千翠」


千翠がカップアイスを持ってきてくれた。


「おぉ、サンキュ!」


俺は素早く、好きなチョコ味を取った。


「夕緋、僕のベッドの上で食べないでね」

「わーってるよ」

「それで、何が悔しいの?」


蒼也はバニラで千翠はイチゴ。


「…俺らが先にアヤと出会ったのに、アイツらが奪った感じで、なんかムカつく」


それが醜い感情だって分かってる。

けどさ、そう思わずにいられないんだ。


ーだって、俺はアヤのことが好きだから。


「…僕もあるよ」


アイスに向いてた視線を、千翠に向ける。


「あの時もっと気にかけてあげたら、今アヤの傍にいたのは僕かもしれないって思った」


千翠がそんなこと言うのは初めてだ。


「うん、俺も同じだ」


蒼也はアイスを机の上に置いた。


「久しぶりに会ったときは本当に嬉しかったよ。
…けど、それと同時に悲しくなった。

“あぁ、アヤは変わってないんだ”って。

それは本来、喜ぶ事だろうけど、アヤにとって、それはまだ、“鳥かごから出てない”っという事なんだよね。

そう思うと、心が痛くって仕方がない。

ーアヤをこんな風にしたのは俺のせいかもしれない。

そんな考えが頭から離れなかった」


冷房が効いているのにも関わらず、冷や汗のおかげで服が肌にくっ付く。


「…あの時は辛かったよな」

「けど、それ以上にアヤは辛かった筈だよ」


あぁ、千翠の言う通りだ。

俺は勢い良く立ち上がり、



「俺はアヤを鳥かごから助けたい!」



もう、弱い自分じゃない。

強くなるって決めたんだ。


ー好きな人のために


「僕も、アヤを助けたい」

「もちろん、俺もね」


2人も立ち上がった。


「…なんか、昔もこんな事あったよね」


千翠が思い出し、クスクスと笑った。


「アヤをいじめたやつを俺達が仕返しして、ボロボロになって、誓ったんだよね」


蒼也も思い出したのか、微笑んだ。


「また、誓おうぜ。
アヤのために俺らは生きるって!!!」


「「うんっ!」」


そして、あの頃のように拳を突き合わせた。

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アンジュ(プロフ) - ありがとうございます! (2018年11月19日 23時) (レス) id: bf4fe605a6 (このIDを非表示/違反報告)
優希(プロフ) - この小説、大好きです!更新、楽しみにしてます!頑張ってください! (2018年11月19日 11時) (レス) id: 28bd392d70 (このIDを非表示/違反報告)
アンジュ(プロフ) - 投票、応援に感謝desu! (2018年9月7日 23時) (レス) id: bf4fe605a6 (このIDを非表示/違反報告)
ふぶき(プロフ) - 私も2番でお願いします。これからも楽しみです!頑張ってください! (2018年9月6日 21時) (レス) id: 54c2af14f7 (このIDを非表示/違反報告)
アンジュ(プロフ) - 水族館に一票ですね! 緑野実鈴さん、投票をありがとございますっ! (2018年9月3日 15時) (レス) id: bf4fe605a6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アンジュ | 作成日時:2018年8月7日 23時

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