佐藤萌 ページ32
「佐藤萌さん…で合ってるね?」
黒木くんが声をかけた。
「…はい」
佐藤さんは俯きながら、頷いた。
「立ちっぱなしじゃあれだから、座って?」
渚先生がそう促しても、佐藤さんは動かない。
「…佐藤さん?」
不審に思った渚先生。
そして、
「…っご、ごめんなさい!!!」
『え?』
さ、佐藤さんが頭を下ろしてる!?
その行動に、私達はポカーンと見つめる。
「謝っても、許されない事だって分かってる!」
「けどっ! 立花さんが転校しちゃって、ずっと心残りで!」
「自己満足だろうけど、会って謝りたかったの!」
「本当に、ごめんなさいっ!!!」
深々と頭を下げ、謝る佐藤さん。
私は立ち上がり、
「顔、上げて?」
恐る恐る私の表情を見る佐藤さんに、私は微笑んだ。
「ありがとう。謝ってくれて」
驚いた顔する佐藤さんにクスッと笑った。
「ありがと…っ!」
私はなぜか、涙が溢れ出てきた。
嬉しいはずなのに。
「っごめん、ごめんね…!」
佐藤さんも泣いて。
私も泣いて。
体の水分が全部抜けたって思う程、泣いた。
けど、最後には目を腫らしながら笑った。
29人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
アンジュ(プロフ) - ありがとうございます! (2018年11月19日 23時) (レス) id: bf4fe605a6 (このIDを非表示/違反報告)
優希(プロフ) - この小説、大好きです!更新、楽しみにしてます!頑張ってください! (2018年11月19日 11時) (レス) id: 28bd392d70 (このIDを非表示/違反報告)
アンジュ(プロフ) - 投票、応援に感謝desu! (2018年9月7日 23時) (レス) id: bf4fe605a6 (このIDを非表示/違反報告)
ふぶき(プロフ) - 私も2番でお願いします。これからも楽しみです!頑張ってください! (2018年9月6日 21時) (レス) id: 54c2af14f7 (このIDを非表示/違反報告)
アンジュ(プロフ) - 水族館に一票ですね! 緑野実鈴さん、投票をありがとございますっ! (2018年9月3日 15時) (レス) id: bf4fe605a6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:アンジュ | 作成日時:2018年8月7日 23時