手がかり ページ28
夏、特有の日差しを浴びながら黒髪の…モデルかと思われそうな容姿をした少年が、片手にスマホを持っていた。
すると、どこからか出て来たのか、男性が少年に喋りかけた。
少年が長々と話すと、男性は頷き、2人そろって
“三日月邸”へと消えていった…。
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「……という事だ」
俺、若武和臣はＫＺ会議を開き、黒木の報告を聞いていた。
ーこの場にアーヤはいない。
「『東京にアーヤをいじめたヤツがいるから会ってみないか』…って事だな？」
結論を黒木に確認すると、
「あぁ。情報によれば、名前は伊藤萌。
本好きで大人しい、言っちゃえば地味で目立たない性格」
「若武とは真逆だな」
おいっ！
上杉に言い返そうとしたが、美門に先越され、
「なんで会おうとするの？」
という正論に、俺は勢いを持って立ち上がり、
「そうだ！
アーヤをいじめたヤツなんだろ？
なんで今更、会う必要があんだよ！」
俺はアーヤを大切に思っているんだ。
傷つけたヤツなんか許さねぇ。
「落ち着け、若武」
黒木はいつも通りの表情で俺を宥めるように言った。
「伊藤萌はその事に反省しているらしいし、」
「んだからっ！
今頃反省しても遅いんだって！」
噛み付くかのように怒鳴った俺に、最後まで話を聞け、と言われた。
「その子に会う事によって、
・女子からのいじめ
という原因の１つが分かる。
そして…」
「“スズ”についても分かる可能性がある」
瞬間、この場の空気は一変した。
息する音も聞こえない、完璧な静寂。
(スズか…)
スズというのはアーヤの３つ目の人格。
レイもいたが、数日前に同化することが出来た。
残るはスズだけとなったが、俺らは何となく、嫌悪感を抱いていた。
容姿はアーヤのはずなのに、全くの別人。
レイにも最初は違和感があったが、純粋な“アーヤを守りたい”という気持ちに心をうたれた。
だが、スズにはそれを感じない。
それどころか、“どうなってもいい”と考えているよう。
話す回数は少ししかないが、無邪気な表情をして、
目は笑っていない。
幼児の喋り方も素なのかどうかも分からない。
ようするに、生理的に受けつけられないのだ。
本能が『コイツと関わってはいけない』と反応する。
何もかも謎。
どれが事実か不明。
俺達はスズの事が正直、嫌いだ。
それは、アーヤの闇を見ているようだから…。
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アンジュ(プロフ) - ありがとうございます！ (2018年11月19日 23時) (
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優希(プロフ) - この小説、大好きです！更新、楽しみにしてます！頑張ってください！ (2018年11月19日 11時) (レス) id: 28bd392d70 (このIDを非表示/違反報告)
アンジュ(プロフ) - 投票、応援に感謝desu！ (2018年9月7日 23時) (レス) id: bf4fe605a6 (このIDを非表示/違反報告)
ふぶき(プロフ) - 私も2番でお願いします。これからも楽しみです！頑張ってください！ (2018年9月6日 21時) (レス) id: 54c2af14f7 (このIDを非表示/違反報告)
アンジュ(プロフ) - 水族館に一票ですね！ 緑野実鈴さん、投票をありがとございますっ！ (2018年9月3日 15時) (レス) id: bf4fe605a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アンジュ | 作成日時：2018年8月7日 23時
