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水族館 4 ページ26

(このしおり可愛いな〜)


私が見ていたのは、クラゲの形をした、金と銀のペアのしおり。


(でも、もう色々と買っちゃったしな…)


そんな風に、買うか買うまいかと悩んでいた時に、


「…立花?」

「上杉君!」


驚いて、後ろを振り返ると、上杉君がいた。


「もう、いいのか?」

「えっ、あ、う…ん、、」


歯切れを悪く返事すると、私の視線を辿り、あのしおりを見つけた。


「それ、欲しいのか?」

「うん…でも、もう買っちゃったし……」


上杉君はサッとしおりを手に取った。


「ちょっと待ってろ」


そう言い捨てると、レジの方へ向かって行った。




・・・数分後




「ほら」

「え?」


戸惑いながらも袋を受け取り、中身を見ると…。


「っ! でも、上杉君に悪いよ」

「別に…。俺がしたくてしたんだし」


袋の中身は私の欲しがっていたあのしおりだった。


「じゃあ…」


私は包装を丁寧に取り、金色のしおりを出すと、
また綺麗に元に戻した。


「これ、受け取ってくれない?」


元に戻した袋を上杉君に渡した。


「お金を返したくても今は無理だし…。
それに、私だけ貰うのは公平じゃないでしょ?」


あ、それとも金色の方がよかった?


上杉君はキョトンとしていたけど、それに首を傾げた私にふっと柔らかく微笑んだ。


「いや、銀色でいいよ」


ありがとな


そう言う上杉君は、私の見た事のないような優しい表情をしていた。

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アンジュ(プロフ) - ありがとうございます! (2018年11月19日 23時) (レス) id: bf4fe605a6 (このIDを非表示/違反報告)
優希(プロフ) - この小説、大好きです!更新、楽しみにしてます!頑張ってください! (2018年11月19日 11時) (レス) id: 28bd392d70 (このIDを非表示/違反報告)
アンジュ(プロフ) - 投票、応援に感謝desu! (2018年9月7日 23時) (レス) id: bf4fe605a6 (このIDを非表示/違反報告)
ふぶき(プロフ) - 私も2番でお願いします。これからも楽しみです!頑張ってください! (2018年9月6日 21時) (レス) id: 54c2af14f7 (このIDを非表示/違反報告)
アンジュ(プロフ) - 水族館に一票ですね! 緑野実鈴さん、投票をありがとございますっ! (2018年9月3日 15時) (レス) id: bf4fe605a6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アンジュ | 作成日時:2018年8月7日 23時

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