二話 ページ3
Aが自分の執務室に着いた頃には樋口はもう既にAの部下の来楽零と一緒にAを部屋の中で待っていた。
「遅れてごめんなさいね、さっきまで首領とお茶をしていたものだから。」
「・・・いえ」
Aは樋口を傍らに通り過ぎ、書斎机に備え付けられたオフィスチェアに腰かけた。
「あなたを呼んだのは他でもない人虎の件についてよ。零、資料を」
資料を受け取ったAは資料の上の数ページを読み始めた。
「と、その前に立ってばかりではあなたも疲れるでしょう。零、樋口さんにお茶を」
「はい」
「え!あっ!ちょっ!」
樋口は突然のAのその言葉に驚き着いて来れていないようだ。
「あちらに座って話しましょう」
Aは自分の執務室にある来客用のソファと長机を指差した。
「い、いえ。私はここで」
樋口は躊躇った。
「この仕事、少し長い話になりそうだから、落ち着いてお話をしたいの」
「・・・わかりました」
樋口はあまり納得しないまま了承した。
「どうぞ」
紅茶を淹れてきた零はAと樋口の前にソーサーごとティーカップを二人の前に置いた。
「最近いい茶葉が届いたの、さぁ気にせずにどうぞ召し上がって?」
「いただきます」
樋口はそう言われ、恐る恐るティーカップの中の紅茶を飲んだ。
「!!」
樋口は紅茶を一口飲んでその紅茶の美味しさに驚いた。
「その様子だと、お口に合って何よりだわ」
樋口はAにそう言われ、少し慌ててティーカップをソーサーに戻した。
「それでは、本題に入りましょう」
その言葉に樋口はソファに座ったまま姿勢を正した。
Aはそのことに気にせず話を進めた。
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作者名:アニメkなら猿比古押し! | 作成日時:2018年2月22日 13時