弱虫ペダル～全力疾走～2nd stage (ページ6)

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55話虎ページ6

～荒北side～

日野遥先輩の第一印象。

兄貴って感じのなにげに優しい人。

陽だまりの匂いがする人。

その印象は、たった今ガラッと変わった。

これは、、、例えるなら虎。

凶暴な虎の匂い。

背筋に冷たいものが走った。

遥「よし、行け！」

俺は必死に回した。

あの人は危険だと、本能的に理解したからだ。

少しでも遠くへ、、、。

～Aside～

A「５分、ね。」

二人が飛び出したあと、私はハル兄を冷めた目で見た。

遥「いいだろ？相手は初心者なんだしよ！」

A「福は初心者じゃない。」

遥「大丈夫！さて、そっと近寄ってやろうかな？」

A「靖友は鼻が利くから無理だと思う。」

遥「そうだった。」

そういうハル兄はどこか楽しげだった。

そして、、、。

遥「５分経過。行くぞ！」

A「うん！」

私とハル兄は飛び出した。

～荒北side～

俺と福ちゃんは山に入っていた。

福富「、、、そろそろ出たな。」

荒北「来ると思う？」

福富「相手は百戦錬磨の旧･現最速兄妹だ。油断するな。」

荒北「、、、わーったヨ。」

福富「大丈夫か？」

荒北「まだヨユーだけどォ？」

そして、まもなく山頂という時だった。

荒北「ｽﾝｽﾝ、、、！！？」

これはスタートで嗅いだ、、、！

荒北「来るぜ！福ちゃん！！」

福富「っ、、、あぁ。すごいプレッシャーだ。」

その数秒後のことだった。

「見えたァ！！」

突然声が聞こえた。

振り返ると、まだ遠いがAちゃんと先輩が見えた。

荒北「クソがァ！！！」

俺はケイデンスを上げて逃げ切ろうとした。

やべぇ、、、！

このままじゃ、、、捕まる！

そして、山頂でついに追いつかれた。

遥「どうした？もっと食らいついて来いよ！！荒北ァ！！！」

下りで両者ともに速度が上がり、並んで走っていた。

けど、コッチはいっぱいいっぱいだ！

遥「おもしれェ！もっとだ！！荒北ァ！！」

荒北「っ、、、クソっ！」

まだ速度が上がんのかヨ！？

遥「もっと回してみろ！！」

くそっ、、、速ェな。

先輩は俺の少し前を行く。

何だ、ｺﾚ？

スッげぇ燃える、、、。

ウズウズする、、、。

荒北「、、、福ちゃん。」

福富「なんだ？」

荒北「俺、今すっげぇウズウズしてんのォ。目の前の敵を、、、カッ食らってやりてぇって！」

福富「！！」

荒北「思いっ切り走ってイイ？」

福富「あぁ！いけ！」

荒北「ハッ！そう来なくっちゃなァ！！」

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